ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ひとりワインの会クアトロ~フレーム2008

2019年06月20日 | ワインの話



ウスケボーイズに影響されてピエモンテのお気に入りワインをセラーから取り出し飲む。

アルプスの足下にあるこのピエモンテはトスカーナと並んでイタリアを代表するワインの産地。赤ワインだとイタリアワインの王と云われるバローロがあまりにも有名。

このバローロはネッピオーロ種というブドウで作られる。その影に隠れていたピエモンテのブドウにバルベーラ種がある。

これまでは生産量が多いバルベーラ種は、ピエモンテの並級のワインを作るブドウという評価を受けていた。今、時代は変わり、このバルベーラの可能性が見直されている。

難しいことではない。ネッピオーロと同じように日の当たる南側の斜面で作って、剪定を丁寧に行い、ブドウの収穫量をおさえ、樽熟を上手にすれば良い。

メルローのような丸みを持ち、カベルネのような力強さを備えたワインが出来る。その代表格がスカリオーラが造る「フレーム」だ。2008年のこのフレームもとても美味しい。 しっかりと作ったバルベーラは長期熟成にも耐えるものだった。バローロボーイズの波がここにも及んでいる。

エチケットには、オーナーが描いた水彩画が使われている。遠くに見える小さな町の教会は、ピンク色の影の中に立っている。傍らの愛犬が、広い空に舞い上がる鳥たちを目で追っている。長閑なピエモンテの風景だろうか。

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ウスケボーイズ

2019年06月19日 | 個人的な話

そして萌芽は五月上旬頃。気温の低い地域なので、あたりの山にもその頃まで緑はほとんどない。それが一斉に畑が緑に染まるのだ。ぶどうの芽は明るい黄色がかった緑で、見ているだけで楽しくなるような色合いだ。葉っぱはピンクがかっていたり、毛羽立った白だったり、紫色を帯びていたり、小豆色に近かったりと様々な緑色に染まる。淡い色合いの混ざり合いはまるで水彩画のようである。

以上は、河合香織著「ウスケボーイズ」の中のクアトロの父が好きな一文。 ウスケボーイズは、日本のワインの先駆者、麻井宇介に影響を受け、日本にも世界に負けないワインを作ろうと立ち上がった人達がバローロボーイズにあやかって付けた名前。 まだまだ日本のワイン作りは、歴史が浅く偏見もあり、彼らは家族を犠牲にするまでの辛苦を重ねる。その有様のノンフィクションがこの本だ。

クアトロの店先のぶどうも、一気に元気な葉を広げている。クアトロのこの連休に、ゆっくりとワインを味わいたいと思ったクアトロの父だ。

※19日(水)20日(木)クアトロは連休させていただきます。

 

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スパークリングワインのコツ

2019年06月18日 | ワインの話

ワインのティスティングのコツを覚えたら、泡もののコツも習得しよう。

この泡ものとは、発泡ワインのことで、スパークリング、シャンパン、クレマン、カヴァ、スプマンテ、ゼクトなどと色々な呼び名がある。

どの発泡ワインにしても、泡ものの持つ優雅な雰囲気を大事にする。 まず抜栓の時は、スッパーンと景気よく開ける店はちょっと困ったものだ。 ここは、静かに注意深く栓を外し、淑女のため息のようなプシュっという開け方を期待したい。 「プシュ、これから魅惑のひとときが始まるのね」とスパークリングワインが囁くがごとくだ。

次に、グラスは細長いトゥールシャンパングラスを用意して欲しい。 泡ものの時は、お味見の儀式は省略されることが多い。 「お味見なさりますか」とかの場合は、ワインのティスティングのコツのように、温度ぐらいを確認しておこう。

注がれた泡ものワインはグラスの下から静かに小さな泡が無数に立ち上るものが良い。 ゴボゴボと泡が出てくるものは優雅とは云えないものだ。 この泡の具合は、価格に反映する。

そして、この泡をパールと呼ぶ。 グラスの中ににパールが連なれば、これを真珠のネックレスと呼ぶ。

次に乾杯の時は、ガチャーンとグラスをぶつけあうのは、ちょっと優雅ではないので、グラスを目の高さに上げてお互いの目を合わせるようにしよう。

さらに、決めたい人は、グラス越しに「君の瞳に乾杯」とハンフリー・ボガードのようにきめゼリフを放つのも自由だ。

※19日(水)20日(木)クアトロは連休させていただきます。

 

 

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ワインのティスティングのコツ~その7

2019年06月17日 | ワインの話

ワインのテイスティングのさまざまな所作を習得しても、一番困るのが「お味見をお願いします」と云われ感想を述べる時だ。

しかし、その味見も自分の好みのワインの温度を確認すれば良いとなると、気が楽になるだろう。

そして、いよいよ乾杯だ。 しかし、ここでビールのようにチーンとグラスを合わせるのはやめよう。 ここは、ちょっと気取ってグラスを目の高さに上げて「乾杯!」と唱和する程度にしよう。

あとは、会話を楽しみながらワインを飲もう。 ワインの一番大事なマナーは、楽しく飲むことだった。 その後に廻ってくる伝票のことも考えると、楽しまないともったいないのである。

 おわり

 

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ワインのティスティングのコツ~その6

2019年06月16日 | ワインの話

ワインのテイスティングのさまざまな所作を習得しても、一番困るのが「お味見をお願いします」と云われ感想を述べる時だ。

その味見とは何か。 まず、品質に問題があるかどうかだが、これはかなり飲み慣れた人で出ないと劣化したワインなど判断できない。 特別に不味い時は、お店の人と相談し双方が納得すると交換することがあるが、これは滅多にない。

それよりも、お味見はワインの温度を確認する作業と割り切るべきだ。 自分の好みの温度で用意してくれたかどうかを味見をすれば良い。 ワインは温度で味わいが大きく変わるものだ。

豊潤で香りを楽しみたいワインはやや温度は高め。 酸と甘みに特色のあるものはやや低め。 赤でも白でもこの程度に把握しておこう。

ワインは嗜好品なのであくまでも個人の好みで良い。 「お味見をお願いします」と云われたら、好みの温度で用意してくれたかどうかをチェックしよう。 問題が無かったら、「結構です」と答えよう。 また、温度が好みでなかったら、その旨を伝え、乾杯用に少しだけ注いでもらい、乾杯の後に温度を調節したワインを注いで貰おう。 「このワインだと少し温度が高すぎると思うので、少し冷やしてから飲みたいので、乾杯用に少しだけ注いで、ワインクーラーに入れておいてください」 と、いった具合だ。

どうしても「このワインは酸味と甘みと旨みのバランスが・・・」などと感想を述べたいとしても決して止めるものではない。

つづく

 

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