○ワルター指揮ロンドン・フィル(TESTAMENT他)1947/11/6live・CD
国内代理店売りしているためレーベルを「他」という書き方にした。非常に激烈なワルター壮年期そのままの演奏で10年遡ったような感じがする。ただ、ロンドンの聴衆は騙されない。拍手は冷静でよく聞くとブラヴォが混ざる程度である。かなり高精度で終楽章のコーダなどワルターにしても異様な迫力ある力感をぶつけてきていながら、全般には醒めた音で生硬さを感じさせる。音色の綾やスムーズな横の流れの作りがワルターらしくないというか、最初ボストン交響楽団の演奏かと思ったくらい機械的な作り方が目立ち入り込めない。3楽章冒頭のコンバスソロからしても中途半端な表現で、決してこのオケと相性がよくなかったことを伺わせる。ただ、技術的には凄い。BBC交響楽団の調子のいいときのようで、ボールトの曇りをオケから一切取り去ったような明快さは、この指揮者が同時期にトスカニーニ的演奏を求められていたのではないかと推察させる。バンスタ的起伏もバンスタに増して人工的、、、更にこの演奏、録音が極端に悪い。ノイズ慣れしていないとまず、聴くに耐えないだろう。演奏的に精度を求めるなら、あるいは30年代的なワルター解釈を求めるなら(そしてウィーン風を求め「ない」なら)薦めてもいいが、まずもってマニア向け。個人的にはワルターでも歌心の少ない特異な高精度志向とリアルな世界観が作られている点興味深かった。○。
Mahler: Symphony No.1 "Titan"; R.Strauss: Tod und Verklarung Op.24 / Bruno Walter, LPO, etc
国内代理店売りしているためレーベルを「他」という書き方にした。非常に激烈なワルター壮年期そのままの演奏で10年遡ったような感じがする。ただ、ロンドンの聴衆は騙されない。拍手は冷静でよく聞くとブラヴォが混ざる程度である。かなり高精度で終楽章のコーダなどワルターにしても異様な迫力ある力感をぶつけてきていながら、全般には醒めた音で生硬さを感じさせる。音色の綾やスムーズな横の流れの作りがワルターらしくないというか、最初ボストン交響楽団の演奏かと思ったくらい機械的な作り方が目立ち入り込めない。3楽章冒頭のコンバスソロからしても中途半端な表現で、決してこのオケと相性がよくなかったことを伺わせる。ただ、技術的には凄い。BBC交響楽団の調子のいいときのようで、ボールトの曇りをオケから一切取り去ったような明快さは、この指揮者が同時期にトスカニーニ的演奏を求められていたのではないかと推察させる。バンスタ的起伏もバンスタに増して人工的、、、更にこの演奏、録音が極端に悪い。ノイズ慣れしていないとまず、聴くに耐えないだろう。演奏的に精度を求めるなら、あるいは30年代的なワルター解釈を求めるなら(そしてウィーン風を求め「ない」なら)薦めてもいいが、まずもってマニア向け。個人的にはワルターでも歌心の少ない特異な高精度志向とリアルな世界観が作られている点興味深かった。○。
Mahler: Symphony No.1 "Titan"; R.Strauss: Tod und Verklarung Op.24 / Bruno Walter, LPO, etc