○コンドラシン指揮モスクワ・フィル(Lanne:CD-R)1973/11/2アムステルダムlive
奇しくもこのエントリをあげる直前に知人の訃報を聞いた。コンドラシンのマーラーを初めて聞いたのは、その知人よりダビングしてもらった9番のテープでである。。この盤は短時間だが酷い録音撚れ起因の歪みがいくつかあり、演奏精度的にも正規より落ちる。疲労がうかがえるが集中力は最後まで高く、特に3楽章の鋭いリズムと速いインテンポには瞠目させられる。ここで中間部のテンポをぐっと落としすぎると4楽章と全体バランスがおかしくなるという配慮から音量もテンポもそれほど落とさない演奏はままあるが、コンドラシンの新即物主義的方法が一番成功しているのはこの楽章だろう。即物的方法は感情的な1楽章や愉悦的な2楽章では余りメリットに働かない。あっさり、というより音のコントラストは強いのに無感情という殺伐とした印象を受ける。だが横に流れる歌謡性ではなく一つ一つの音圧とテヌート奏法でズンズンと踏み込んでくる4楽章には説得力があり、最後は大ブラヴォ。アムステルダムにコンドラシンが受容されたのはわかる気がする。○。
奇しくもこのエントリをあげる直前に知人の訃報を聞いた。コンドラシンのマーラーを初めて聞いたのは、その知人よりダビングしてもらった9番のテープでである。。この盤は短時間だが酷い録音撚れ起因の歪みがいくつかあり、演奏精度的にも正規より落ちる。疲労がうかがえるが集中力は最後まで高く、特に3楽章の鋭いリズムと速いインテンポには瞠目させられる。ここで中間部のテンポをぐっと落としすぎると4楽章と全体バランスがおかしくなるという配慮から音量もテンポもそれほど落とさない演奏はままあるが、コンドラシンの新即物主義的方法が一番成功しているのはこの楽章だろう。即物的方法は感情的な1楽章や愉悦的な2楽章では余りメリットに働かない。あっさり、というより音のコントラストは強いのに無感情という殺伐とした印象を受ける。だが横に流れる歌謡性ではなく一つ一つの音圧とテヌート奏法でズンズンと踏み込んでくる4楽章には説得力があり、最後は大ブラヴォ。アムステルダムにコンドラシンが受容されたのはわかる気がする。○。