湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲

2007年03月23日 | リムスキー・コルサコフ
◎ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ANGEL)

リムスキー畢生の名作で管弦楽の壮麗さは比類なく、素材的にも和声的にも奇矯なものはないものの楽器の組み合わせと数だけでオケにはこれだけ多彩な表現が可能だということを示したものとして特記され、現代も愛奏される曲である。これは管弦楽版がいいのであり、管弦楽版を聴いてはじめてこれが後代のラヴェルらにパクられていった理由がわかるだろう。フィルハーモニアの素晴らしい合奏・独奏技術とガリエラの絶妙なリズムにのったドライヴ感がたまらない。どちらかというと西欧的でロシア臭も南欧臭も薄いのだが、それはガリエラの素晴らしいバトンテクとオケの変幻自在ぶりに基づくもので、楽曲自体の包蔵する魅力が調味料を足されることも灰汁抜きされることもなく素のまま鮮やかに浮き彫りにされている。精度も高く非常に粒だっていて、よくある「ゴリ押し演奏」がいかに曲のイメージにマイナスに働いていたかがわかる。結果、フランス曲のような贅肉のない素直な喜遊曲にきこえるなあとも思った。まあ、こんな演奏恐らくライヴでは無理だろうし、現代こんな密度のアンサンブルを聴くことも難しいと思うが、、これ以上の言はもてません。モノラル末期のいい音。

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