湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ボロディン:交響曲第1番

2007年03月23日 | ボロディン
○ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ANGEL)

極めて集中度の高い緻密な演奏で、拡散方向に向かいがちなこのての曲をじつにベートーヴェン的なまでにまとめあげた手腕は並ではない。リズミカルで色彩的なこの指揮者の特質もあるが、ただラテンな指揮者がリズムだけを煽っていくような演奏とも違いかなり作りこまれた演奏という感じもして、オケも熱演でこたえ、まったく技術的にもやる気度にも素晴らしいものがある。トスカニーニの芸風のような即物的な詰まらなさとは違う、主情的な解釈は殆どないが、主情的な高速テンポがそれを補って余りある存在感を見せ気をあおられっぱなしである。相対的には◎のつけられる演奏だと思うが、曲が長さのわりに案外単純ゆえ、奇をてらわない演奏ぶりでは、何度もきくと底が見えてしまう感じもする。だからといっていじりまくった演奏がいいとは少しも思わないのだが、そのへんはかなり微妙ということで。ロシアロシアした演奏では全くないので、万人に薦められるが、モノラルなのが難点。

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