湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ショスタコーヴィチ:交響曲第9番

2018年11月12日 | ショスタコーヴィチ
チェリビダッケ指揮スウェーデン放送交響楽団(weitblick)1964/11/20live・CD

軽妙というよりクレンペラーみたいな斬り裂き方で始まる9番。ショスタコーヴィチはこのあとも一応6作交響曲を書いてはいるが、実質このときに自分流の総決算として極めて諧謔的な「第九」を書いたのだ、という気分を持たせてくれる奇怪さと深刻さの錯綜する音楽に、チェリビダッケのショスタコーヴィチに対する見識を伺い知ることができる。これは録音は良くないが悪くもない。ショス9に食い足りなさを感じる向きにもおすすめだ。五楽章の歪な構成の末尾が、これはクレンペラーとは違いしっかり解釈し音にした、チェリビダッケの響きへのこだわりにより明確にフィナーレとして感じ取ることができる。断ち切れ感も、何を言いたいのかわからない謎めきもあまりなく、逆に終演後の戸惑う客席反応こそ、何故だと思う。何かしら過去の交響曲作家と違う総決算を提示したかのようで感慨すらある。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プロコフィエフ:交響曲第4番 | TOP | ショスタコーヴィチ:弦楽四重... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ショスタコーヴィチ