湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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カウエル:交響曲第5番

2012年05月30日 | アメリカ
○ジーン・ディクソン指揮アメリカンレコーディング協会管弦楽団(ARS)LP

アメリカ実験音楽の祖とも言われるが案外と穏健な作風を持ち、ロマンティックな旋律とわりと保守的な管弦楽法を駆使する作曲家の印象もある。むしろ実験性はピアノ曲におけるものなのだ。この作品は1楽章が聞き物で、多彩なパーカッションと他パートのやり取りが丁々発止、しかしコープランド後期を思わせるところがあり、複リズム的なフレーズもおり混ざり清新だが、全般にはとても聞きやすい。だが、2楽章以降が凡庸である。新ロマン派の作品と言われれば聞ける内容だが、カウエルの特徴としてこの時代にしては簡素なオーケストレーションが気になり、それで前時代的な交響曲のなりをしていると、1楽章の勢いはどうしたんだろうと思ってしまう。盛り上がるは盛り上がるし、独自性も感じられるのだが。ディクソンは浮き立つようなリズム表現がうまい。オケはうまいがそれほど力強くはなく、それをここまで引き締めて表現させたのは特筆に値する。○。

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