湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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フランセ:クラヴサン協奏曲

2012年05月29日 | フランス
○作曲家(hrps)ナウモフ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団(wergo)1988・CD

華やかなハープシコードの八連符連打に始まるフランセらしい明るく軽く楽しい音楽。楽器の特性のせいで、あの世俗的なピアノ小協奏曲に似た内容であるにもかかわらず、典雅さや古雅さが漂うのも面白い。オルガンのように響く重音もフランセの響きとしては異色。5楽章制だがフランセにありがちなこととして「尻すぼみ傾向」があり、特に終楽章はもっと派手にしてほしかった。漫然と聴くより数十倍演奏するのが困難なことが予想される数学的な書法が目立つ中間楽章など聴きこむとそれなりに面白みも見いだせそうだ。巧みな対位法、不規則なリズムや休符の飛び交うさまは聴いているぶんには楽しい。ハープシコードはきほんひたすら伴奏音型を弾き続けるのだがここではフランセの前進的で目覚ましい技師ぶりを再確認できる。○。

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