湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ドビュッシー:喜びの島(管弦楽編曲)

2018年07月12日 | ドビュッシー
コッポラ指揮交響楽団(lys他)CD

ビニェスの初演もかくありなんというスピードと水際立った音の弾け方、南欧的な明るさが素晴らしい。SPでこれを実現したのはコッポラや楽団もさることながら録音・プレス側の腕も優れていたということにほかならない。冒頭からしばらくはつんのめるようなテンポ感がありSP期特有の揺らぎが気持ち悪いが、後半は気にならなくなる。いや、この高速インテンポはコッポラの短所にもなりうるのだが、この曲はこれでいいのだろう。旋法的な動きを際立たせて雰囲気音楽に持っていくには明確すぎる輪郭を持っており、やや浅くも感じさせるだけに、勢いが大切だ。この編曲もいっそ南欧風のカラッとした感じがしてファリャを少し思わせ、モリナーリの編曲としたらドビュッシーの指示も確実に入っているのだから、正しいのだろう(コッポラの編曲かもしれない)。サティと違ったストレートなシテール島への船出、楽しい航海、である。
Comments (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 利用上のご注意 | TOP | ドビュッシー:版画〜Ⅱ.グラ... »
最新の画像もっと見る

4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Re:詩情 (r_o_k)
2018-07-13 22:11:19
詩情ですか!当時のわたしの印象ではまるで違います。30年近く前にCDで聴いただけなので、今の耳だとそこまで聴き取れるか、あるいは当時のCD起こしが悪質で、LPだと違うのかもしれませんね。
返信する
詩情 (サンセバスチャン)
2018-07-13 12:29:07
ギーゼキングを再聴。私のはAB8004という東芝のかなり古いLP ですが、モノラルながら色彩豊な音で再生されます。夢、アラベスクと自在な演奏ぶりで、テンポやタッチが、流れるように自然体で変化していきます。詩情あふれる演奏というのはこのことなのか、聴き手はただ美魅を委ねるだけ。
返信する
Re:ギーゼキングを聴きました (r_o_k)
2018-07-12 12:51:20
ギーゼキングそんなに良いですか!全集をかなり昔に入手しておりますが録音が古いこともあり瑞々しい印象はありません。いま聴くと印象がちがうかもしれません。正直それほど好きではなかったのですが、「牧神」あたりのドビュッシーをよくあらわしたようなキラキラした曲ですね。ことさらにそれを強調しなくても曲がキラキラしているので良いのかも。。
返信する
ギーゼキングを聴きました (サンセバスチャン)
2018-07-12 12:25:08
この曲は、ホロヴィッツを数種類、フランソワしか聴いたことがありませんでした。
リサイクルショップでギーゼキングのLP を発見、聴いてみたらホロヴィッツ顔負けの豪快な演奏にノックアウトされてしまいました。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ドビュッシー