アムステルダムに来たのは今から39年前だった。町は昔と同じか変わってしまったのかは全然判らない。私自身が変わってしまったからだろう。それにしても何も覚えていないのが情けない。
ハーレムを朝出て、午前11時にはアムステルダムの郊外のサイトに着いた。テントの若者が多く、ちょうどキャンプサイトを出てゆく人たちで、受付はいっぱいの人だった。
昼食も待たずにトラムで町の南、国立博物館のある地域へ繰り出した。目指すはすぐ近くのゴッホミュージアム。トラムの中で、ベルギーからの年寄りグループと隣同士(これぞまさしくお尻合いの仲)になり”今ハーミテージ・ギャラリーから来たところ。素晴らしくて感激ものだよ”とおじいさんが言った。じゃ私たちも明日には行こう。
ゴッホ・ミュージアムの前は長い行列、久しぶりの晴天で、亭主は屋内はもったいないという。おまけに中では写真禁。写真が写せないなら数年前、ロンドンのロイヤルアカデミーでゴッホ展をじっくり見たからいいや・・・ということで、近くのダイヤモンドミュージアムへ入った。ダイヤモンドに関する面白い逸話から有名なダイヤと有名人のことなど、亭主はここのほうが美術館よりいいとご機嫌だった。
ゴッホの絵”星空”のコピーに埋め込まれたダイヤモンドが504個合計140カラットに上るという。
ミュージアムの前の広場でサンドイッチを食べ、今度はダイヤモンドの工場へ。2軒隣りの研磨場では中国人団体がぎっしり立ってガイドの説明を聞いている。砂粒より小さなダイヤを磨いたのもここで、ギネスレコードになってるそうだ。
町はいたるところが運河で、雑草を植えた浮きかごが、運河に自然を取り込む努力をしているようだ。どことも充てなく歩いていると、チェス広場に迷い込み、地面に書かれたチェスボードに大きなチェスこまを並べて対戦中のおじいさんと青年、周りの男たちの真剣な顔、亭主まで立ち止まって動かない。
電車通りのチーズのお店でサンプルを味見したらぜひ欲しくなり、娘が留守宅を時々見回ってくれるからお土産にと買うことにした。
運河や運河の周りの自転車など写真を写しながら歩いていると、フラワーマーケットにたどり着いた。かの有名なチューリップの球根が所狭しと並び、よくもこれだけ多種多色を集めたと思う。本当は巨大なアマリリスの球根が欲しかったが、この冬も自宅にじっとしていないのに花を栽培するのは無理とあきらめた。
夕方又にわか雨が降り出し、デパートの屋上のコーヒーショップから市街を写すことが出来た。
アンネ・フランクの家を探して歩いているうち教会の前のアンネ像に出会った。顔立ちもはっきりしない像で本当はアンネはかわいい女の子だったのにとちょっと残念。ところがもっと残念なのは彼女の家の前の長い行列、小雨の中行列はますます長くなり、閉館まで後一時間では絶対無理とあきらめた。