Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

東ヨーロッパの旅 33 十字架の岡と杉原家

2011-07-28 19:09:26 | 東ヨーロッパの旅 2011



クレイペアダから十字架の岡があるシヤウライ(Siaulial)の町まで約170km、国道A11を真っ直ぐ東に向かう。ほとんど岡も無いような平野の麦畑と牛がのんびり草を食む牧場が続き、直射日光の当たる腕は火のように暑い。












シャウライの環状線から北に数キロ、十字架の岡は簡単に見つかった。ロンドンの友達から話を聞き、ロンリープラネットでも1ページを割いて詳しく記してある。一体どんな岡を登るのかと思って行ったが、平野の真ん中、土の盛り上がったところから横まで大小の十字架が立ち、下がり、横になりとまるで十字架のジャンク・ヤードのような有様。
宗教心の無い私から見た限りではあまりきれいには見えないし、秩序がまったく無いのが良くない。クリスチャンは又違った見方が出来るのだろう。

1993年にはヨハネ2世がここを訪れ、お祈りする場をとおっしゃったことから、後ろの200メータほど離れたところに新しいレンガ造りの教会が建てられた。この場所に十字架が建てられたのは14世紀からだというから年季が入っている。ロシアの統治時代は取り払われたこともあったが、人々の信仰心は消すことが出来ない。今では何十万本になるか誰にも判らないらしい。ここも世界遺産に登録されている。



駐車上にはお土産屋さんが並んでいてどこにも規格品の十字架を売っている。これを買ってあそこにおきたいと思う人が多いのだろう。同じようなのが山ほど在った。
お土産屋さんの前でこのかわいい男の子と目が合った。ニコニコして決して目をそらさない。この子が今日の一番の清涼剤。



ここの駐車場で昼食にし、今夜のキャンプサイトはカウナス(Kaunas)に決めた。

カウナスのサイトまで186km、途中から空は真っ暗になり雷雨が激しくなった。
午後4時過ぎにはネムナス河縁のキャンプサイトにつき、雨の上がった後の清涼感を満喫した。





ここカウナスには杉原千畝氏が1939年から1940年にかけて居住し2000枚近くのヴィザを発行したオフィスが杉原記念館として残っている。
そこはカウナスの旧市街とは全く反対方向の岡の上にあった。岡のふもとでうろうろしていたら近所のおばさんにスギハラ?この階段をあがって右へと教えられた。日本人ならスギハラ家と思っているらしい。







岡の上の電柱にはここから100メーターの案内、家はひっそり静まり返っていたがドアベルを押すと、おじさんが顔を出し、すぐ室内へ案内してくれた。まずは杉原氏の当時の様子をフィルムで見せてくれた。見ているうちに自然と涙がわきあがってくる。どうしてだろうか判らない。

彼が多くのヴィザを発行したオフィスを写真に撮り、サイン帳に書き込み、絵葉書を買い、最後に10年ここで働いているという管理人のおじさんの写真を撮らせてもらった。多くの日本人がこの家を訪れているのが判った。









この杉原家が今日の目的地だったから、あとはおまけでこじんまりした旧市街を歩き回り夕方早めに帰ってきた。昨日までの暑さは去り今日一日はコートが離せなかった。

コメント
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