Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

東ヨーロッパの旅 35 トルン(Torun)

2011-07-26 15:39:50 | 東ヨーロッパの旅 2011



夕方から雷を伴った雨が激しく、今まで暑かったバルティック3国がまるで嘘だったみたい。英国は20度も温度が上がらず、パリ、ベルリンも同じように寒い。反対にモスクワが33度、北アメリカは熱波が押し寄せている。先週は日本も南方から台風が上陸、福島原発を襲う前に太平洋にそれて、各国のテレビニュースがどっと安心したように報道していた。

朝7時ころまで土砂降りだった雨は、私たちが出かけるころにはうす雲が広がって、いつの間にかやんでいた。
今日の目的地トルンまでは280km、途中に3つの大きな町を通り抜けた。

その一つの町外れで警察官の制服のような服を着た男性に停められ、何事かと思ったら、ガソリンが切れてお金が無い、この金の指輪を渡すから50ポンド欲しいと懇願された。車に二人の子供がいるので助けて欲しいと,膝まづいての懇願。

こうして皆にたかっているのかも知れないが、これが演技だとしたら彼は役者になれそうだ。気の毒になって50ズロティ(12ポンドくらい)をあげて指輪をいらないと言ったらなおもしつこく50ポンドと叫んでいるのでそのまま車を出発させた。チャリティだと思えばたいしたこと無いかとも思うし、これが彼らの金儲けの手段だったら頭に来る。忘れるのが一番良いか?






そして悪いことは重なるもので、キャンプサイトについてすぐ見つけたのがキャンパー前輪に刺さった長さ1インチくらいの太い釘。亭主が釘を取り除いたらいっぺんでタイヤの空気が抜けてしまった。今まで7年間何万キロもヨーロッパの道路を走ったがこんなことは初めてだった。
道具が無くてタイヤがはずせず、ガレージの人に来てもらう手はずをつけたが、来たのが翌日12時過ぎだった。はずしたタイヤを修理して持ってきてくれたのは午後の4時過ぎ、手持ちのズロティとユーロで支払ったが、高速で走っているときでなくて良かった。

私たちはラッキーだと思いましょうと二人で話し合った。前日に来る予定がだんだん遅れて水曜日の昼になってしまったがこの日は朝から一日中雨が降り続いたので、どこへも行く気もしなかった。



木曜日の今朝、天気予報はドイツからバルト海にかけて低気圧が渦巻いている。雨雲は低いが降り始めていないから、長い橋を渡ってトルンの旧市街へ出かけた。城壁に囲まれたこの町は雰囲気がドイツのハムリンに似ている。そしてここはやはり世界遺産に登録された町で、日本の団体客を久々に見かけた。城壁を入ったすぐの塔が斜めに建っていて面白い。ここの中はレストランになっているが中も床がかしいでいるかはわからない。



上の立派な塔は刑務所、写真を撮っていたら労務者風のおじさんがいろいろ話しかけてきて最後にクリミナル(犯罪者)の言葉だけがわかりおじさんは満足して行った。





このゴシック建設の塔と立派な建物は旧市庁舎で内部は博物館になっている。博物館のステンドグラスのコレクションがいいとのことだったので入ってみたが、宗教画やステンドグラスも期待したほどでなかった。しかし3階の一角にコペルニクスの像や似顔絵、コイン、などいろいろな彼の顔が在り、どれが一体似ているのかわからない。みんな想像で描かれたものなのだろう。





この旧市庁舎の正面通りのコーナーに大きなコペルニクスの像が立っている。ここは彼の生誕地で、この通りから近いところに彼の生まれた家が在った。こんな立派な家だったところを見ると彼は十分な教育を受けて、天体や宇宙を研究したものだろう。

 

聖マリア教会はステンドグラスがすばらしく、多くの人たちが出入りしていたが、この町全体で一体どれほど教会が在るものか判らない。ほとんどが閉まっていたから、ここに集中していたのかも知れない。









この町は観光を重要視しているらしく、こんなやさしい装飾で人々を楽しませてくれる。








旧市庁舎のタワーの上からは町が見渡せ、中世そのままの町並みを楽しむことが出来た。



博物館の中のたくさんの絵の中で一番気に入ったこの絵はユリアン・ファアット(1853-1929)の”狩へ出かける”。主題があまりに小さく描かれて説明を読まなければ判らなかったが、雪の風景がこんなに良く描かれている作品が好きだ。







コペルニクス大学の立派な建物の中に博物館が在るので、私一人覗いてみた。マリア・ムッターミルヒ(1876-1967)の展覧会を開いていて、彼女はポーランドのユダヤ人だと知った。。会場の監視人がよっぽど暇をもてあましていたらしく、写真を撮ってあげるといい、画家の両親のポートレートの前で写してくれ、絵の説明もしたりでなんと親切な人だろう。帰るときにはまた来てくださいと手を振っていた。

コメント
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