りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

芥川賞(笑)。

2012-01-18 | Weblog
「あなたが本当の文化を知りたいのなら、古代ギリシャの芸術を鑑賞すればいい」

小説の文中で読者にそう薦めたのは、作家の村上春樹だった。
理由は、「奴隷制度」だそうだ。
古代ギリシャでは奴隷が身を粉にして働き、その間に市民が芸術を創造した。
本当の文化というものは、俗世と無縁の中でしか生まれない・・・ということなのだろう。

昨夜、芥川賞と直木賞の受賞作品が発表された。
僕の関心が向かったのは、世間の例に漏れず、田中慎弥氏だった。

御年39歳。
高校卒業後、アルバイトも含めて、一度たりとも労働経験なし。
ひたすら筆と原稿用紙の人生。

いやぁ、いいわ(笑)
受賞の記者会見、ご覧になりました?
あの記者会見を見ていると、“小説を書く人間は、やはり社会と迎合してはいけない”と
いうイメージをさら強くさせるに十分だったような気がする。

まぁ、すべての作家がそうであるべきとは思わないし、実際、著名作家の方々の中には、
いろんな職業を経て、現在文壇で活躍されている方もいらっしゃるし。
浅田次郎氏とかね。

だから一概に言えないのは承知だけど、それでも田中氏のスタンスには感嘆してしまう。
そういえば、ちょうど1年前の芥川賞は、あの西村賢太氏が受賞した。
同氏の受賞記者会見も、これまた強烈だった。
僕なんて、テレビの前で同氏に向かって拍手を送ってしまったほどだった。

だからここ数年の上半期の芥川賞受賞者は、本来の文学的意味とはまた別の意味で、
世間の耳目を集めつつあるような気がする。その良し悪しは別として。

あえて言うなら、芥川賞ではなく、芥川賞(笑)・・・ってとこか。

芥川賞「都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる」 田中慎弥さんの受賞会見↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120117-00000653-san-soci
コメント
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