rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

そこかしこにいる神様、台湾・鹿港

2011-01-22 00:47:17 | 街たち
易に使うような長く太い線香を、たくさんあげる人たち。
いたるところにある、神様を祭る廟。
そして、一人に一つの役割を受け持つ、たくさんの神様。
大小様々な廟の中で、「城皇廟」には72もの神様が祭られている。
ここには、週末ともなると大勢の人が集まり、巫女の手を借りて各々の悩みを神様に聞いて貰い、平安を得て、次の週を迎える。
日常生活に溶け込んだ神様が、人の心の拠りどころとなって、安寧をもたらすならば、神様だいることはとても良いことだ。
神様としても、一人で全ての務めを担うよりは、一つの役目を負ったほうが、務めに眼がいきとどくだろう。
神様も人間も、互いを思いやる心がほほえましい。
ゆるさ、鷹揚さは、アジアの美徳の一つと思う。

鹿港には、細く曲がりくねった路地が、旧市街を縫い合わせるように走っている。
人がすれ違うのもやっとといった狭い路地は、殺風景にならない程度の植物が飾られている。
しかし、道幅に余裕のあるところには、廃材や生活品が積み置かれ、雑然とした景観だ。
日本でも、このように似たところがよくみられる。
遠く海を越え違う国と思えない類似点は、アジア的一面の現われだ。
豊穣さゆえの、無頓着。
これはこれで、汚らしいと非難すべきでないのかもしれない。
アジアの美徳、「ゆるさ」と捉えてみれば、悟りの境地に一歩近づけそうだ。

海の幸の恵みに感謝してありがたく頂き、半永久的でない提灯を作って神様に捧げ祈り、人形劇を神様に奉納する。
儚い人の生を謹んで生きていくありかたに、アジア人の知恵をみた。