rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

”億劫”という言葉を知らない子供たち

2014-07-24 15:31:33 | つぶやき&ぼやき
中くらいの人が学校で驚いたことがあると話す。
「これからの教室移動、億劫だ」とクラスメートに言うと、皆怪訝な顔をして言葉の意味がわからない様子だというのだ。
「マジ、だりぃ」「めんどくせー」といえば素直に通じるけれど、それ以外の言い回しはほぼ使われないのだそうだ。
つまりそれは家庭でも使われていないことを示唆し、もしかすると”古語”になっているのではと疑いたくなる。

言葉の伝播にちなむと、地方の方言の中に古い時代に伝わった言葉が残り使われていることがあげられる。
そして、この”億劫”、関東のガラパゴス的この地域の高齢者が話すと「おっこう」となる。
単に訛りなのかと思っていたけれど、辞書で調べるに由来は仏教語からで「おくこう」と発音され、それが促音化して「おっこう」になり「おっくう」なった。
意味は、非常に長い時間を表す。
「劫」は、サンスクリット語で古代インドの一番長い時間の単位。
「一劫」は、100年に一度天女が岩山に舞い降りてきて羽衣で天頂を撫で、その摩擦で岩山が消滅するまでに時間、限りなく無限に近い時間を意味する。
この一劫が億劫になるのだから、考えられないほど長い時間となり、時間が長くかかりやりきれないとか、計り知れない時間のかかることは容易ではなく面倒に感じることから、「面倒くさい」の意で使われるようになった。

言葉の伝播の最終形態、いまや”億劫”は消滅しつつある。
国語教育の転換で、漢検的に難しい漢字を意味も解らず、ましてや使うこともない漢字や言葉を学習する子供たち。
言葉は生き物、流動的なものだけれど、ますます現実と乖離した国語となってきた。
それとも、知的レベルの二極化が進んでいるだけなのだろうか。
地方のしかも田舎のとりあえず公立の進学校だけれど、生徒の家庭は教師・公務員・自営業とそこそこ教育に力を入れている子息令嬢たちの集まるところにおいて、”億劫”が虚空を漂うことに不安を抱く出来事だった。


晴れた空に恋人たちの舞い踊る平和

2014-07-21 15:43:15 | 生き物たち

青空のロンド


アオスジアゲハのランデブー

午後になり晴れた空を見上げると、アオスジアゲハがペアで楽しそうに飛んでいる。
恋の戯れか、くるくると踊るかのように空高く舞い上がり地面すれすれまで降りてきたりしながらいつ厭きるともなく続く。
こうやってのんびりと空を眺められるって幸せだ。
ツバメやトビ、カラスにスズメ、オニヤンマにスズメバチ、たくさんの鳥と虫たちが飛んでいる。
しかしこのあたりは戦闘機の飛行区域、そのはるか上空を旅客機も頻繁に通る。
それら飛行機もただ飛んでいるだけならば問題ないけれど、戦争になったならば飛行機のジェットエンジンの音は恐怖を駆り立て、機影は死神の影となる。
ガザの人々は、恐れなくして空を見上げることはないだろう。
今から69年前、日本の上空にも多くの死神たちが乱舞した。
戦争を起こさないためには、力と恐怖で抑止するしか手立てはないのか。
今、この世界の大きな転換期の中で、日本も抑止力を手にしようと一歩を踏み出した。
パワーバランスに上限はない。
これから30年後、アオスジアゲハが空で楽しくランデブーしている世界があるか、おそらく私は知ることはないけれど、中くらいの人たちがのんびりと空を見上げられることを願わずにはいられない。




チョコレートヒマワリ、二番花

ホットケーキの威力は絶大なり

2014-07-20 12:00:40 | 食べ物たち
しばらくぶりに子供たちがゆっくりしている朝だから、我が家特製の特大ホットケーキを焼いてみた。
直径20センチのフライパンそのままの大きさで、厚みは3.5センチ、こんがり狐色に焼きあがったホットケーキには、北海道のサツラク発酵バターをたっぷり満遍なく塗って、仕上げにクローバーの蜂蜜をたっぷりかけた2枚重ね。
甘くやわらかい匂いがキッチンに立ち込め、日曜の遅い朝食を甘美にする。
それにバナナをトッピングしたヨーグルト、カフェオレで仕度ができた。
小さい人を起こしにいくと、すでに漂ってきた匂いで目が覚めていたらしく、中くらいの人を起こしてきて欲しいとお願いした。
寝起きの悪い中くらいの人を起こしにいくのは、家族みんなが嫌がることだけれど、今回に限ってはそれに当てはまらない。
なぜなら魔法の言葉があるからだ。
「焼き立てほかほかのホットケーキをこれから食べるよ。」
この言葉を小さい人に授け、一回だけこう言えばそれで十分だからと言い添えた。
すぐさま小さい人は中くらいの人のところへ飛んでいき、戻ってきた。
さらにフォークを用意して皆が席に着いたところにのっそりとやってきた中くらいの人、「いただきます」のあと丸く大きなホットケーキの一切れを自分のさらに取り分けてぱっくっと口にほおばると、目をつぶって幸せそうにうなっている。
ホットケーキは我が家において眩い太陽、一瞬で目を覚ましてくれる。
ああしかし、やわらかく甘いホットケーキで満たされたおなかは、二度寝を誘う。
満ち足りた中くらいの人は、日頃の睡眠不足を補うためにまた薄暗い寝床へと吸い込まれてしまったのだった。


チョコレートヒマワリの憂鬱

2014-07-19 23:23:09 | 空・雲・星・太陽たち


梅雨が最後の足掻きを見せている。
どんよりとした空からは雨粒が時折落ちてきて、早朝や夕方などに土砂降りの雨と雷をよこすのだ。
天気予報では明日までこの空模様が続き、その後関東でも梅雨明けになるのではと言っている。
我が家のチョコレートヒマワリは、夏本番を前にして力尽きてしまいそう。
特別今年の梅雨明けが遅れているわけではないけれど、梅雨の中休みのあまりに先取った猛暑によって急かされて花を咲かせてしまったからだ。
それもしかたがない、電車の時刻表のようにいつになったら春が来ていつからが夏などときっちり決まって季節は変われない。
ともかく、本格的な夏になる前に涼しさを味わえたのだ、それもいいではないか。
チョコレートヒマワリの一番花の花びらは、この夕方の時雨によって無残に散ってしまったかも知れず気の毒ではあるが、晴れた日に写真にその雄姿を留めておいた姿がこうしてある。


愚行、悲劇は止まらない

2014-07-18 22:36:21 | つぶやき&ぼやき
朝起きて、テレビから流れるニュースに愕然とした。
「ウクライナ領においてマレーシア機が撃墜される。」
「ウクライナ軍が撃墜」と「親ロシア派による地対空ミサイルブークにより撃墜」と、双方が主張しあっている。
しかし、互いに対立し争っている者達の主張なので、どちらとも信じがたい。
ただし、現に旅客機が撃墜されその残骸とおおくの遺体が散乱しているのは事実なようだ。
世界の大方の反応は、親ロシア派による攻撃の見方が強い。
ロシアと親ロシア派の将校が軍用機と誤爆したとのやり取りを傍受したという音声がもうすでにニュースで流されていたり、地対空ミサイルをウクライナ軍から親ロシア派が略奪したというSNSがあるなどと、親ロシア派が不利な状況は旅客機が撃墜されて1日と経たずにあげられるなど、先の中国行きマレーシア航空機の不明と打って変わっての迅速さには、違和感が沸いてくる。
偏った立場の主張が多く流布しているので、中立公正な立場の機関が事件の原因究明をして欲しい。
それでないと、更なる諍い種、戦火の拡大になりそうだ。
また、この撃墜機に搭乗していたといわれる多くのエイズ研究者が失われたことは、人類にとって大きな痛手だ。
このことで、エイズ治療の進歩が妨げられるとしたら、この事件は間接的な犠牲者を生んでしまうことになる。

あとは、イスラエルによるガザ地区への地上戦が開始したことも、心が痛む。
パレスチナのハマス側に武器などを供給する地下トンネルの破壊を目的としている戦闘とイスラエル側が主張しているが、それだけで戦いが収まるとは到底思えない。
なんといっても、無差別兵器ともいえる市街地への白色リン弾を投下している国の言うことだもの。
戦争にどちらが正義などないにしても、非力な市民をターゲットにするのは
最もいやらしい。

人の命はあっけなく脆く軽いものだから、人を戒めるための理想論「命の重さ」を打ち立てているのだ。
もし、マレーシア航空機の搭乗者の命がどちらかを貶めたいがための生贄で、停戦を撤回するための出来事にイスラエルの少年がパレスチナによって惨殺されたのであったとしたら、主導者たちにとって大多数の人たちは虫けらほどの命の重さもないことになる。
でも、おそらくそれが真実なのだろう、最大多数の最大幸福のための捨て駒、あるいは最悪ある特定の目的のための駒、だとしたら、実に人は悲しい生き物といえよう。
平和に人生をまっとうできる人は、実はそんなに多くない。
それでも、なんとか世界が戦争に突入しないよう、理性と良心をみんなが失わないよう”神”頼みしたくなるのだ。