rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

取引するねこ、齢15。

2014-07-16 10:58:21 | ねこ


さてもさて


ごちそうさま

ねこが、いつものように私の気配を感じてどこからともなくエサをねだりにあらわれた。
エサというより10時のおやつだが。
洗濯物を抱えた私は、「ちょっとまって」と返事をする。
ねこは私に熱い視線を投げかけながら、「ごあん」と言い続ける。
私はねこに言う、「ごあんあげるけれど、ちょっとは写真に付き合いなさいよ。」
そして私が洗濯物を干し終えてゼリーで固めた魚のパウチをひらひらさせてねこに見せると、ねこは目を見開いて興奮し、エサを食べる場所へと向かう。
待ってましたとがつがつエサを食べるねこ。
ねこがエサを食べ終えたのを見計らってカメラを取りに行く。
ねこは、悠然と餌場から離れ歩き出し、こらこら写真はどうしたと焦る私を尻目に進む。
ねこの先に回りこんでねこの歩いてくる姿を写真に収めようをしていると、ねこはおかまいになしに私に近づいてきたけれど、どうやら写真に付き合ってあげようというつもりらしい。
そこで一枚。
次に場所を変えたねこは、これでどうだとポージング。
数枚撮り終えたと見るや、次に縁の下に向かってまたポーズ。
私がシャッターを数枚切ったならば、ねこは撮影会終了と歩み去っていった。
ねことの取引は交渉成立、結局パウチ1つで10分か。
なかなかねこもたいしたものだ、伊達に15年生きてはいない。




ハイ、ポーズ


カラバッジョのように

ドビュッシー”音と香りは夕暮れの大気に漂う”

2014-07-15 11:54:07 | 音楽たちークラシック


C. Debussy - Prelude No.4: Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir - Krystian Zimerman

7月の音楽として、ドビュッシーのピアノ曲を聴いている。
梅雨の蒸し暑さを忘れさせてくれそうなピアノの響きが心地よい。
この"Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir"、音の間の豊かなこと。
間が作る空間に多くのものが満たされているようで、はたまた純粋な無があるようで、聴き手のそのときの心持によってその色合いは変わっていく。
ドビュッシーの世界を傍に感じながら、絵を描く。
自分の絵の多くの物足りなさ未熟さを痛感しつつも、彼の霊感に与ろうと期待をしている。
絵から醸し出される音と香り空気を求めて。


どこからが芸術、どこまでが芸術

2014-07-14 23:25:51 | アート


エゴン・シーレは、かなりきわどい作品をたくさん描いた。
彼自身の趣味ばかりではない、きちんとした需要もあったのだ。
彼の師匠のギュスターブ・クリムトも多くのエロティックな作品を描き、または下書きに丁寧に女性器を描き込んでその上に文様を重ね描くなど、かなり手の込んだこともしている。
はっきりいってポルノグラフィといえるような作品だ。
しかし、彼らばかりがそのような絵を描いていたわけではなく、描かなかった画家をあげたほうが早いだろう。
その対象は、女性でもあり男性でもあり、ポンペイの壁画からミケランジェロしかり、レンブラントもドラクロワもピカソも何かしらの手法で描いた。
場合によっては性交している場面を描いたものだってある。
さすがに、そこまで具体的な行為を描写したものが美術館に展示されているところに出くわしたことはなく、たぶん画集などに載せるに止まっているのだろう。
何が芸術でどこからが猥褻物なのか線引きは難しい。
あからさまに露骨で淫猥なものは、公共の場に陳列するのは憚られるけれど、それを言うならばDVDレンタルショップや本屋にリサイクルショップなどに堂々と貼られている二次元のエロゲーのポスターや、子供目線の高さに平積みになっているアダルトコーナー一歩手前のコミックなど、かなり際どいものが氾濫しているのはいかがなものか。
ネットの世界にもペアレントコントロールなどものともしない卑猥な画像が無制限に漂流している。
過度に性を隠蔽してしまうのも、際限なく開いてしまうのも、両方違う。
人体についてそれに伴う性の表層部分ならば、とやかく言うのはいいと思えない。
表現の自由ですべてがまかり通るなどと驕ってしまう危険性を孕んでいるが、今回の3Dプリンター用女性器のデーターを頒布した女性芸術家の逮捕はいささか行き過ぎのような気がするのだ。


月の光の中で眠る

2014-07-13 14:44:23 | 空・雲・星・太陽たち
昨夜、7月12日午後8時25分、日本において月が近くなり大きく見えるスーパームーンであった。
ただ梅雨時期なのでどうなることかと危ぶんでいたが、、それでも幸いなことに薄い雲がところどころにかかっている具合だったので、くっきりとではなかったけれどソフトフォーカスに満月が見られた。
時間が過ぎて10時過ぎ、小さい人に促され空を見上げると雲はきれいに消え去って煌々と月が輝きだした。
11時、すっかり月も高く昇ったころ、寝室の窓から月の光が差し込んでいる。
あまりにその光がひんやりと涼やかだったから、カーテンを開け放って眠ろう。
青白い中にもほのかに黄みを帯びた月の光は、静けさと幻想性を湛えて、私を夢の中へと誘った。

ポーランドの古都クラクフ、ふたたび

2014-07-12 22:41:52 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」ポーランドの南スロバキヤと隣接する地域にある古都クラクフ。
歴代の国王が居城としたヴァヴェル城には、サラ・ポルセカの時代に作られた独特な天井がある。
天井の方形に区切られた中に、老若男女、多人種他民族の人の顔の彫刻が収められている。
異様なこの天井の装飾は、王があらゆる人の声に耳を傾けているという姿勢を視覚化したのだという。

それでは、地味だけれど確実に美味しそうなクラクフのグルメ。
「ポド・バラネン」は、伝統料理が食べられる。
”プラツキ・ジェムニャチャネ”は、ポーランドにおいてメイン料理にもなりえるジャガイモとネギをすりつぶし焼いたポテト・パンケーキに、牛肉と野菜の煮込みをかけたもの。
「ウ・スタン」は、地元で大人気の安く美味しいレストラン。
”牛肉のボイル ホースラディッシュ・ソース”と中身に米の入った”ロールキャベツ トマトソース添え”が人気で、甘い水餃子的な夏限定の”チェリーのピエロギ”はお勧めらしい。

おしゃれなカジミエーシュ地区には、多くの店が立ち並ぶ。
「マイホーム マイヘブン」は、ファンシーグッズの店。
「マウィ・スティル」は、個性的な子供服専門店。
「ヤガマコダ」は、壁掛け時計にろうそくなどカラフルでユニークな雑貨店。
「パオン・ノンシャラン」は、ポーランドの若手デザイナーが作り出す色彩豊かなファッションの店。

クラクフには、一風変わったカフェがある。
「カフェ・シャフェ」はその名の通り、タンスにさまざまなペイントを施したり個室のような具合に仕立てたりと奇想天外な店作り。
「ジンガー」は、古いミシン台をテーブルに見立てたレトロ調の店。
オーナーが店を開こうとしたとき、人に譲ってもらった古いミシンと出会って思いついたそうだ。
「スロー・ファッション・カフェ」は、洋裁の手ほどきを受けたりできるカフェ。
発想が豊かな彼らならでは、アーティストのアニタ&アンジェイのカップルは、依頼された絵本の舞台が屋根裏部屋ということから、屋根裏部屋に転がっていそうな古時計やものを使ったリサイクルアートに踏み込んだ。

クラクフからさらに南へ来るまで2時間のスロバキヤとの国境山岳地にあるの街、ザコバネ。
夏は避暑地で賑わうこの地には、色彩豊かな刺繍が伝統工芸だ。
グラビティ・トボガン・ランは、山の中腹にある720mのスライダー。
国境の川ドゥナイェツ川を筏でクルーズしながら”三つの冠”といわれる山を眺められる。
特産品羊のチーズ”オスツィペク”は、型によって刻まれた伝統模様のチーズを三日間スモークしたもの。
まろやかでやさしい味わいのこのチーズは、4~10月の間このチーズを燻煙小屋に泊りがけで燻される。

16世紀のポーランドの騎士フサリアたちは、背中に羽飾りをつけた甲冑を身に着け戦っていた。
騎馬で駆けるとき、または戦うとき、背中の羽が風になびくときに出す音が自分たちが大勢であると相手側に思い込ませる効果を狙ったのだという。

ポーランドは、中世のころからたびたび侵略の憂き目を見てきた。
だから、もう二度と国が蹂躙されるようなことがないことを祈っている。