バラに夢中になった義母は、定期的にバラ園芸のプロのSさんに手入れに来てもらい、ついに写真のような柱まで立てて、庭の光景は不細工になってしまいました。
コンテストに出すバラの中に、強い太陽が当たるとメラニン色素がでて、シミがでる花があるので、それを防ぐために、柱を立て屋根を付けて、黒いかんれい紗をかけるのです。
もともと日本庭園で花壇のなかった庭が、父の亡きあと母の好きなようにたくさんの木や花が植えられ、植木屋さんを嘆かせていました。写真の画面に入らない手前左に大きな池があり大きな石と岩でできた築山があります。
1968年には、ガーデンライフ(誠文堂新光社)の編集長が引率する「世界の有名バラ園を訪問」のツアーに参加、9人の参加者の中で68歳の義母は最高齢で、イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スイスなど名園を訪問したのです。
1968年は1ドル365円で、海外持ち出しは、15万以内と厳しく決められていました。
当時68歳の女性は、老人扱いで、皆さんに大変優しくしていただき、バラのお陰で、ヨーロッパのすべての素晴らしさを満喫したのです。