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毎年バラの季節になると、義母は郷里が同じで親しくさせていただいている北村西望先生のお宅に、庭の薔薇の花を沢山持ってお邪魔していました。
1979年の5月、膝が痛いので、代わりに私に薔薇をお届するように言われ私がお届けしました。
北村西望先生(1884-1987)は長崎県南高来郡のお生まれで、1903年に京都市立工芸学校(現京都市立芸術大学)入学、卒業後、上京して現東京芸術大学に入学。1921年には、現芸大の彫造部教授になりました。
日本を代表する美術家の一人で、代表作は長崎の平和記念公園にある
「長崎平和記念像」です。
1953年から井の頭公園の敷地内にアトリエを建てられ、お住まいでした。
私の故郷ともいえる吉祥寺の井の頭公園!そして自然文化園の隣です。
先生は96歳くらいでしたが、かくしゃくとしていらして、奥様も90才近いのに凛とした品格の高いお方でした。私が若かったせいもあり、お二人のお姿に感動してしまいました。平和記念像を制作した体育館のように広い部屋には、制作半ばの大きな彫像がありました。
先生は机に掛けて、義母への手紙をお書き下さいました。
先生から頂くお手紙や、葉書きはいつも毛筆で素晴らしく沢山あります。
その中のバラのお礼の手紙を久しぶりに出したので、アップしました。
先生の水茎の跡の美しさに惚れ惚れしてしまいます。
先生は1980年に名誉都民となられ、1987年に104歳でご逝去されました。長崎には記念館、井の頭自然文化園には彫像園があります。