大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

RE滅鬼の刃・13『お祖父ちゃんは凄いです』

2021-02-11 10:06:01 | エッセー

RE滅 エッセーノベル    

13・『お祖父ちゃんは凄いです』   

 

   

 いやはや、お祖父ちゃんは精力的な人です(;^_^A

 

 三学期も真ん中に差し掛かったわたしは、進路希望調査票にどう書こうかとか、進路に関わって評定をどう上げるかで、ちょっと一杯です(^_^;)。

 わたしは『けいおん』とか『女子高生の無駄づかい』とかのアニメが好きです。好きな声優さんが、ぜんぜんキャラの違う役の声をやってらっしゃって(律の声優さんがリリー、ゆいの声優さんがロボを、とか)興味深いこともあるのですが、女子高生の日常をほのぼのと肯定的に描いているところが好きです。

 実際の女子高生の日常なんて、不安とかシンドイことやめんどくさいことの連続で、アニメのように楽しくはないんですけどね。

 ふたつとも、進路希望調査の話が出てきます。

『けいおん』ではゆい(ギター)と律(ドラム)の二人が、『女子高生の無駄づかい』ではバカとヤマイがまともな進路希望調査票が書けなくて、本人たちだけでなく、仲間や先生たちもヤキモキします。

 進路……そんな未来の事は分からないって書いたキャラがいたように思うんですが、同感です。

 わたしのリアルって、アニメのように面白くはないし、ウィットも無いし、根性もありません。

 だから、無難に文系進学。できれば特推。

 受験勉強なんて御免だし、お祖父ちゃんも「学費ぐらい任せとけ」と言ってくれますので甘えています。

 正直、専門学校や就職も頭の中にはあります。じっさい、ゆいや律やバカ、ヤマイのようにフワフワしてるんです。

 文系特推から専門学校、就職への乗り換えは楽にできるんです。祖父との二人暮らしという環境なので、そういう変更をしても「お祖父ちゃんのことや生活の事を考えると……」と言葉を濁しておけば、友だちも先生方も「そうか、栞も大変なんだよな……」と同情してもらって、変更できます。どう転んでも、栞はいい子だって思われていたいんですよね。

 けっこう卑怯者なんですよ。

 お祖父ちゃんは凄いです。

 だって、学校の先生ってサヨクばっかじゃないですか。ちょっとネトウヨっぽく生徒に言う先生もおられますけど、それって、今の高校生が右っぽいから、それに合わせたポーズです。職員室に行ったら組合の掲示板というのがあって、下にロッカーがあります。その上に、月替わりみたいに署名用紙が載っていて、ネトウヨ先生の名前もあったりするからです。先生だって、人に嫌われたくないんです。学校で人って言えば生徒と同僚ですからね。ま、世間に合わせるというか恭順の意を示す的なことも必要なんでしょう。

 あ、非難じゃないですからね(^_^;)、世の中って、こういうことでうまく回ってるんだと思います。

 昔は、もっとすごかったと思うんですよ。それこそ、入学式に日の丸も揚げられないくらいに。

 そんな中で、ずっと、自分の思うところを貫いてきたお祖父ちゃんは偉いと思います。素敵です。

 

http://wwc:sumire:shiori○○//do.com

 Sのドクロブログ!

 

 言ったら傷つくから言わねえけどさ、クソジジイって、ほんと友だち居ないのよ。

 もう七十だからな……。

 それとなく言ったら、そーゆー言い訳すんのよ。

 昭和28年生まれだよ、70なわけないじゃん、まだ67だよ。そーゆー四捨五入って悲しくね?

 昔は居たらしいよ。一回だけだけど、小学校の時、クソジジイの友だちがやってるイタ飯屋ってのに連れてってもらったことがあっけどお。その人は五年前に亡くなっちゃってさ。

「いい奴は、みんな先に逝っちまう……」

 て、葬式帰ってから喪服のまんま指折んなよ!

 せまい学校の中でさ、職員会議とかでさ、日の丸演説したって虚しいだけっしょ、そりゃ、友だち失くすわ。

 黙って俯いてりゃ、頭の上通り過ぎんのにさ。

 学校が左っぽいなんて、近所の犬だって知ってる。「お手!」ってゆったら左手挙げるもん。

 で、世間が学校よりも右っぽいことも知ってる。

 で、フツーの人の生活って、そーゆー右とか左とか言わないで回ってるぞ。

 あたしが進路に臆病なのはね、このごろクソジジイの肝臓と糖尿と血圧の数値が悪いから……血液検査の結果、むき出しのままテーブルに置いておくのは無しだぜ。

 あたしが好きなのは『女子高生の無駄づかい』のバカ。

 知らない人はいっかい見てよ、きっとおもしろいから。

 

 

 

 

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らいと古典 わたしの徒然草・3『なくてありなん』

2021-02-11 06:52:58 | 自己紹介

わたしの徒然草・3

『なくてありなん』   

 大橋むつお

「ガキなんぞ、つくらんほうがええ!」                 

 すごい言いきりです。

 例によって、ドーナツなどをかじり、口のまわりを砂糖と油まみれにして、ねっころがって『徒然草』を読んでいて、目に飛びこんできたのがこの一節です。

 第六段『わが身のやんごとなからん』であります。
 

「自分はセレブであろうが、なかろうが、ガキなんぞおらんほうがええ」と、兼好さんはおっしゃるのです。

 兼好という人は一筋縄ではいかない人で、ときに逆説めいた書き方をしており、この「ガキなんぞ、つくらんほうがええ!」と言いはなつものも、次の七段や百四十二段では「子供っちゅうのは、ええもんや」的なことを、のたもうておられ、ブレが感じられます。まじめな読者なら、眼光紙背に徹する根性でお読みのなるのでしょうが、浅学非才、軽挙妄動、軽佻浮薄、付和雷同、牽強付会のわたしは、自分流にビビっときたところで好き勝手に述べるしかありません。 

 兼好法師の、このブレは、わたしなりによくわかります。

 数年前、ヤクルトのオネエチャンがドアホンをピンポ~ンとならし、歯磨きのCMのごときさわやかな声で「おはようございますぅ。ヤクルトですぅ!」と、ヤクルト的元気さと、大阪弁的ハンナリさでやってきた。 こころなし「いつもとちゃうなあ……」と思いつつ、まあ風邪でもひいたんだろうと玄関を開けると、双方思わず息をのみました。

「あっ……!」
「おまえは……!?」
「センセ(大阪弁では、先生の発音はハサミでちょんぎったようにセンセになる)なにしとん!?」

 なにしてるもなにも、わたしの家である。「なにしとん!?」は、彼女なりの驚きの表現であります。

 彼女はわたしの教え子であり、卒業以来、ほぼ十何年ぶりの再会でありました。在学中は、茶パツのギャルメーク、マタ下八センチのミニスカにルーズソックス。油断をするとすぐに授業中でも携帯をいじり、注意すると「わぁってるわ(わかってるよ)……」と、上目づかいににらんで、ふて寝。一人称は「わし」 彼女というか大阪人の名誉のために申しあげておきますが、この「わし」、本人は「わたし」と言っているつもりなのです。大阪の人間ならば、男の「わし」と女の「わし」の違いは分かるのですが。大阪以外の人には、おそらく区別がつかない。つまり彼女は、ありていに言えばウザイ生徒であり、彼女からすれば、わたしがウザイ担任であった。たがいに「なくてありなん」存在でありました。
 最初こそ「あ、おまえ……!?」「センセなにしとん?」でしたが、あとはかいがいしく濡れたヤクルトのパックをていねいにふき「毎度ありがとうございます。○○円(値段を忘れた)ちょうだいします。はい、二千円おあずかりします。○○円のお返しです」と、きちんと手を添えてお釣りをくれました。まあ、マニュアルどおりといえば身もフタもないのですが。きちんとした、心のこもった対応でありました。そのあと十分あまり、たがいに河内(かわち)弁まるだしの会話で、「わし、今二人子供おんねん……知っとう、だれそれは今なあ……」「ほんまかいなあ」などと世間話「あ、仕事やさかい、もう行くわ」

 ええネエチャンになりよったなあ……しかし、ゲンチャを発進させるときのこきみいい地面のけり方、急発進は昔のイケイケネエチャンままでありました。

 ひるがえって、我が子を見れば、もう中二にもなろうというのに、ヒマさえあれば『三国無双』『スーパーマリオ』 ネジがゆるんだように、ホ~と口を開けていそしんでおります。晩婚であったことや、自分の半生をかんがみ、結婚当初、こどもなど「なくてありなん」でありました。「できた」と奥方に言われたとき、正直頭をよぎったのは「しもた!」でありました。それを見すかしたのか「生むで!」と、宣言された。

 それから七ヶ月あまり、平成八年五月二日。思えば、六時間目、体育館での学年集会が終わり、ノラクラする生徒(さっきのヤクルトネエチャンもこの中にいました)に「さっさと教室いかんか! はよ出え! はよ出んかい!」と叫んでいたころに、愚息は奥方の腹から出ました。

 「なくてありなん」の心境であったので、愚息と初対面のときは、愛情というよりは、とまどいと責任感。一人ナンギな転校生を受け入れた心情に似ていました。

 名前をつけるのは、あっさりとわたしにまかされました。半日悩んだ末に、敬愛する司馬遼太郎先生から、一字をいただき「遼介」としました。長男であるので、まんま「遼太郎」でいいのですが、雀の子は雀。「太郎」では荷が重かろうと、人の二番目くらいがいいであろうと考えて「介」の字にしました。律令の官制で二等官をあらわす字であります。

 気楽に市役所の戸籍課に届けを出しました。そこで思わぬクレームがつきました。

 わたしは「遼」の本字、シンニュウに点が一個多い字で提出したのですが、人名漢字にその字がありません。遼太郎の遼は点が一個多い方が本字。われながら、どうかしていました。戸籍課長を相手にわたりあい、将来人名漢字にこの本字が加えられたら、家裁に持ち込めば、おそらく変えられるであろうという見通しが得られるところまでねばりました。

 長ずるに及び、通りすがりの女子高生の集団に「めっちゃかわいい!」と言われ、デレデレ親父になり、ピアノや水泳を習わせ、その上達ぶりに「トンビにタカ」と喜び。小学校の「良くできました」の行列に欣喜雀躍。末は博士か大臣か!?と、まことにめでたいアホ親ぶり。今は地元でも一等有名な進学塾にかよわせております。さぞや、弘法大師のご幼少のみぎりをホウフツとさせる少年に……と、思いきや、『三国無双』と『スーパーマリオ』に、呆けた口をあけ、成績表は三のオンパレード。

「なくてあらまほし」は、わが頭に創り上げた優等生としての息子の虚像こそでありましょう。せめて……いや、理想として、わが教え子のヤクルトネエチャンのように育ってくれれば……「なくてありなん」。このように読んだのですが、兼好法師のおっさん。いえ兼好法師さま。いかがでありましょうか? 

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妹が憎たらしいのには訳がある・58『優子の場合』

2021-02-11 06:30:48 | 小説3

たらしいのにはがある・58
『優子の場合』
         


     


 バカか、あいつは……?

 優子は、他の通行人と共にあきれ返った。
 大学の帰り、真由のようにお友だちもできなかった優子は、晩ご飯の用意にスーパーに寄ろうとして、そいつを見てしまった。

 ベースは悪くないのだろうが、一目でW大生とわかるダサいパーカーのそいつは、交差点の真ん中で立ち往生している。
 荷台に括りつけていたゴムバンドが外れて、垂れたフックが自転車の後輪に絡まり、身動きがとれなくなっているのだ。
 滑稽なことに、本人は気づかず、幽霊かなんかが、理不尽に自分の自転車を止めている超常現象だと思っているらしいことである。
「あれ、あれ……ええ……(;'∀')?」
 で、パニック寸前の顔で、交差点の真ん中でオロオロしている。見ている通行人は、原因が超常現象などではなく、ただのドジであることが分かっていたので、クスクス笑っているばかり。それが、このW大生をさらにパニックに陥れていく。
「あ、悪霊の仕業か!?」

 で、信号が青から黄色、そして赤に変わった。

 アホかあいつは……!?

 通行人の認識が変わった。ただ、信号が赤になったばかりの交差点に入って、哀れなW大生を助けるのにはリスクが高い。信号は赤だが、彼の顔は青いままで、すでにパニックになりかけている。下手に助けに飛び込んだら、巻き込まれる恐れがあるので、誰も助けには出ない。
 優子(幸子と優奈の融合体)は、義体のモードで車道に飛び出し、自転車を担ぎ、W大生の手を引いて、反対側の歩道に、あっと言う間に着いた。拍手と冷やかしが等しくおこった。

「ほんとっ、バカね、あんた!」

 優子は、後輪に絡んだゴムひものフックを見せながら言った。
「え、え……このせいで?」
「そう、悪霊のせいなんかじゃなくて、あんたの悪い勘のせい!」
「あ、ど、どもありがとう(^_^;)」
「じゃ、これからは気を付けてね」
 優子はさっさと車道の向こう側に戻りたかったが、信号が変わらない。W大生は動く気配がない。
「あんたの行く方向は、あっちじゃないの?」
「考え事してて、つい渡っちゃったんだ。バイトが、こっちのほうなもんだから」
「じゃ、バイト急いだら」
「今日はシフトに入ってないんだ。晩ご飯の材料買って帰るとこ」
「あ、そ」
 優子は、さっさと歩き出した。なぜかW大生も後を付いてくる。
「なんで、付いてくんのよ!?」
「だって、Kマート、こっちだから」
「あ……」
 木下に教えてもらったス-パーもKマートであった。もうKマートは目の前である。
「言っとくけど、運命だなんて思わないでね。わたしも最初からここに買い物に来るつもりだったの」
「あ、ども……」
 優子は、さっさとKマートに入り、買い物かごを持って、野菜売り場から順路に従って回り始めた。

 そして、冷凍食品のコーナーで、あいつを見つけてしまった。

 あいつは、店の順路を逆回りして、実に手際よく品物をカゴののなかにぶち込んでいた。
「やあ!」
 そいつは、元気に手をあげた。
「あんたって、ほんと変わり者ね。どうして逆に回るのよ?」
「スーパーって、総菜コーナーが最後にあるの。で、総菜って一番旬で、店でもお買い得の材料を使ってるんだ。そこで偵察して、食材を選ぶ。セオリーだよ。それから、豚コマ、しめじ、もやし、なんかは工場生産で、価格が安定してるから、まず確保だね。あ、お好み焼き粉買っちゃったの!?」
「うん、だって一円の超特売だから」
「バカだなあ!」
 バカにバカと言われて、優子はむっとした。
「粉を大安売りしてるってことは、それに付随するキャベツとか、蛸、イカなんかの値段が高いんだよ。スーパーの手。う~ん……レタスにしときな、これは並の値段。あと豚コマ。ソースは二個セットの……」
「二個もいらないわよ」
「ボクも切れてるから、あとで分けよう」

 こんな調子で、完全にW大生のペースに巻き込まれた。

 帰り道、同じマンションであることが分かった。優子たちと同様ルームシェアリングしていたらしいペアが、この春に卒業したので、しばらくは一人暮らしのようだ。

 道々、話を聞くと、彼はW大の二年生で、高橋宗司。意外にも大阪の出身であった。
「お好み焼きを作る」
 と言うと、ごく自然に、部屋に上がり込んできて、生地を作り始めた。悪意や下心などは丸でなく、親切心……というより、こんな料理下手にやらせられるかというピュアな気持ちで、上がり込んできたようだ。
「ねえ、ちょっと量多くない?」
「ある程度の量を作らないと、一定以上の味が出ないんだ」
「でもね……」
 そこにメールが入った――友だち連れていくから、一食分多目にお願い――

 けっきょく、わたしの友だち春奈と、宗司、お隣の木下クンまで入って賑やかな初晩ご飯になった……。

 

※ 主な登場人物

  • 佐伯 太一      真田山高校二年軽音楽部 幸子の兄
  • 佐伯 幸子      真田山高校一年演劇部 
  • 千草子(ちさこ)   パラレルワールドの幸子
  • 大村 佳子      筋向いの真田山高校一年生
  • 大村 優子      佳子の妹(6歳)
  • 桃畑中佐       桃畑律子の兄
  • 青木 拓磨      ねねを好きな大阪修学院高校の二年生
  • 学校の人たち     加藤先輩(軽音) 倉持祐介(ベース) 優奈(ボーカル) 謙三(ドラム) 真希(軽音)
  • グノーシスたち    ビシリ三姉妹(ミー ミル ミデット) ハンス
  • 甲殻機動隊      里中副長  ねね(里中副長の娘) 里中リサ(ねねの母) 高機動車のハナちゃん
  • 木下くん       ねねと優奈が女子大生に擬態生活しているマンションの隣の住人
  • 川口 春奈      N女の女子大生(真由=ねねちゃんと俺の融合)の友だち 
  • 高橋 宗司      W大の二年生   
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