春の行楽始る あす彼岸入り
寒さも峠を越して十八日から彼岸の入り
いよいよ春の行楽シーズンの幕開きだ。
そのトップを切って十六日夜はツバキと御神火が招く大島へ行楽客がくり出して行った。
この夜東海汽船の「橘丸」「淡路丸」の二隻に乗り込んだお客はざっと二千人、
大半は群馬、長野などからの団体客やサラリーマン・グループ、家族連れ、学生など。
予約の切符はすでに四日前から売切れという盛況だった。
一方、戸塚の有料道路では白ナンバーの自家用車が引きも切らず西へ西へ
ドライブ族の落着く先は熱海か箱根の山か。
四十円ナリの通過料をいただくミス関守りも楽しげな車内のアベック風景には
「当てられますわ」
とテレくさそう。
だがこれからの好シーズンに一日に軽く三、四十万はかせぐこの”関所”にとっては
ドライブ族さまさま・・・・・
春とともに笑いが止まらぬといったてい。
上 ”橘丸”に乗込む行楽客(竹芝桟橋で)
下 ドライブ・カーの行列(戸塚有料道路で
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昭和32年3月17日の朝日新聞より
54年前の朝日新聞に載っていた記事です。
「レジャー」も時代を感じます。
戸塚有料道路とは吉田茂首相が命じた「ワンマン道路」の事。
現在は横浜新道戸塚支線と呼ぶそうです。
新聞記事の二台目は日野ルノーでしょうか。
この時代に白ナンバーの自家用を持てた人はどれほどの
お金持ちだったのでしょう。