続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『犬から出る水蒸気』

2018-01-29 06:59:09 | 美術ノート

 『犬から出る水蒸気』

 犬から水蒸気が出るという認識を持ったことがないが、犬の雰囲気、振動する空気感は不確かだけれども感覚としてはないこともない。犬がこちらにやって来るときの空気の揺れ、生命体の持つエネルギーの発散は辺りの空気を攪拌する。
 それが水蒸気なのか・・・犬の生息、即ち有機質の酸化、エネルギーの消費、汗が空気中に気化する確率は不明であるが、確かにエネルギーは水蒸気として発散。溶解していく。

 作品は固形化した泡状の物の上に泡状の突起を持った鉄板が乗り、右端にそれを下方に引っ張り込む取っ手のような物が付いている。
《犬から出た水蒸気(活性の昇華)は、上方あるいは外へ向かうが、周囲の圧(重力)により遠方にまで至ることはなく、しかも周囲の圧は変則であり一定したものではない。》という空気感の物量化(変換)である。軽い(水蒸気)ものを、重い(鉄/金属)ものに置換した表現は、鑑賞者の呼吸を止めるような衝撃と躊躇いがある。


(写真は神奈川県立近代美術館〔若林奮『飛葉と振動』展・図録より》


『春と修羅』⑨

2018-01-29 06:13:44 | 宮沢賢治

 草地の黄金をすぎてくるもの
 ことなくひとのかたちのもの
 けらをまとひおれを見るその農夫
 ほんたうにおれが見えるのか
 まばゆい気圏の海のそこに
 (かなしみは青々ふかく)
 ZYPRSSEN しづかにゆすれ
 鳥はまた青ぞらを截る
 (まことのことばはここになく
 修羅のなみだはつちにふる)


☆総て弐(二つ)の講(はなし)を混ぜ兼ねている。
 納(受け入れると)二つが現れる。
 化(教え導くこと)を兼ねた皆(すべて)の章(文章)は、償いと弔(死者を悼むこと)にある。
 照(あまねく光が当たる=平等)を説(主張する)修羅(わたくし)です。


『城』2872。

2018-01-29 05:58:33 | カフカ覚書

しかし、そうでなくても、その人を待っていただけの甲斐がありました。その人エルランガーだったのです。ご存じありませんか。クラムの第一秘書のひとりです。弱弱しそうな、小柄な人で、すこしびっこを引いています。


☆しかし、(死の)大群が待っているkとに、いつもは報いるのです。それはエルランガーです、彼を知りませんか。彼はクラム(氏族)の内密に賞讃された先祖です。先祖は弱々しい小さな集団でしたが、終わり(始まり)に、我来たりと言ったのです。