湖を埋めて造った高校に老け顔の吾通ひいたりき
湖を埋めて・・・ということは山を削って埋め立てということである。
埋め立て。土地を広げ、利便、生産性を高める有効性。本来は低い地盤を埋め立て造った高校に老け顔の吾が通っていたという回想。
自然破壊は昔からの手法、東京に然り、街が大きく発展していくための手段であり、わたし達はその上を不思議とも思わず暮らしている。
けれど、山や湖の《水》はどこへ行ったのだろう。太古の昔から水の量は不変である。まさかみんな雲になったということもなく地中のどこかに潜んでいる。
水の流れはどうなっているのだろう。浸水や液状化、地盤沈下はないのだろうか。
魚や鳥、草木や動物・・・生態系の崩壊、どこへ消えただろう。
景色の変容、かつて湖だったという事実の上を踏み歩く日常。個人として様々な思いが胸を過る。一個人の大きな力への抵抗など欠片も持てないが、変貌への思いはわたくし(作者)の顔に皺を刻んだかもしれない。
新生、若さは老いを越えて未来を形作っていく。
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