続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『嵐の装い』5.

2021-11-01 06:53:16 | 美術ノート

 切り紙細工の人型、人以外の何物にも見えないが、血肉を有した人ではないことは確かである。この不思議、幽体を想起させる、せざるを得ない形・・・。

 ある一点を中心に四方に連鎖していく、つまり無限であって有限ではない正体である。取り留めもなく掴めないが、永遠をすら示唆する形であるが、自由を保障されていない。しかし、明らかに人為的な工作の意図がある。
 
 平面状の物は地上(床)に直立できない。条理を外した景は現世の条件をことごとく外し、この時空が決して現世ではないことを証明している。
 この仮想空間に嵐の中の難破船はまさしく現世であり、遮蔽はない。

 自由(現世)は残酷であり、残酷な死(来世)は不自由である。決裂、永遠の別れは精神界では行き来自由につながっているのかもしれない。

 写真は『マグリット』展・図録より


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