『人間の条件』
室内から窓外の景色を見た景である。窓の手前に立てかけられたイーゼルには窓外の景色に等しく連なる景色が描かれている。等しく見えると言った方がいいかもしれない。全く異なる可能性をも含めたイーゼル上のキャンバスの絵である。
『人間の条件』、人間の条件を駆使しても不可能なキャンバス上の景であるが、人間の条件を駆使すれば、描くことの可能なこの絵(全体)の景である。
不条理、矛盾を『人間の条件』(作品)の中であたかも合法なものとして成立させている。人間の精神においては不条理を条理に置換することも可能であることの証明だろうか。
写真は『マグリット』展・図録より
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