『田園』
この作品を逆さにすると、田園風景が見えてくる。三本の大木と田舎道、影は低く長く伸び、日の出か日の入りかは分からないが、漆黒の闇でもある。
掲げられた作品は二本の樹、木というよりは木の枝の宇都が並ぶシルエットが相似形に並んでいる。並んでいるというより風景を切り裂いているともいえる。
全く同じシルエットが並ぶ…光景を遮断しているこれらは何?
帯線のようなものは道のようでもあり地層の重なりにも見える。
意味を捜すべきではないのかもしれない。田園=田舎というより、国の成り立ち、億年の地上の変移、(地層が逆さになっているという現実的な報告もある)大地があり、樹木があるという原風景ではないか。
遠い、遠い、遠くからの時間の蓄積。これがわが故郷、田園風景なのかもしれない。
写真は『マグリット』展・図録より
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