![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/4d/7024d15a01f307b66f10e667fcd5db3e.jpg)
(角砂糖を模した)立方体の大理石が数多混入している鳥籠・・・このような趣旨の解説を読み、作品を眺めるから、角砂糖を模した大理石だと思い、鳥籠でないものを鳥籠だと確信してしまうのではないか。
確かにそう見えるし、彼(デュシャン)自身がそう発言したのかもしれない。
けれど、その内実はどう見ても違和感がある。鳥籠というより何かの仕掛けのある捕獲器のような気がする。大理石のほうは砂糖を模したというより、白く美しく重量のある物は何かを隠している(隠ぺいしている)という印象である。(もちろん現実には何も入っていないわけだけど)
『ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない?』
『ローズ・セラヴィよ、なぜ疑わない?』
この奇妙な取り合わせ(大理石・温度計・イカの甲羅‥)は噴飯物である。
『ローズ・セラヴィよ、なぜ笑わない?』
奇妙なものを奇妙だと見る正確な直観力・視野をデュシャンに試されているような気がしてならない。
(写真は『デュシャン』新潮美術文庫より)
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