続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『応用弁証法』

2017-01-15 07:00:44 | 美術ノート

 『応用弁証法』

 壁(平面)に固定された二枚のパネルは記録画像の並置である。
 高らかに先頭に立ち向かう巨きな戦車(戦闘機)や飛行機、そして数多の戦士たち。
 片や敗戦の悲惨さを物語る憔悴しきった残党の足取り・・・。(画面は左に対してやや横幅が縮小されている)

 言うまでもなく、戦意高揚の図と敗戦の悲惨さを並置したものであり、戦争の肯定~否定~徒労の虚しさから戦争抑止、平和への願望を留めた作品である。

『応用弁証法』人が生きるか死ぬかの選択を迫られる戦争への静かなる反旗は、応用というより、むしろ基本であることへの皮肉かもしれない。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


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