《無限の認識》
地平線が画面の下方に在り、雲の多い空中を二人の紳士が散歩(?)、浮遊している。
二人は、酷似していることから一人の人間の分解に見える、換言すれば自問自答である。
無限・・・地球は有限である。無限を考察するならば、地球外に答えを求めなければならない。
終わりのない道、線であり面である二次元、あるいは三次元の終結は地球内においては考えられるが、宙の計測基準はどうなのだろう。
何かに突き当たる(例えば太陽など)ものとの距離は測れるが、終結点のない対象への計測はあり得ない。あり得ない距離、有り得ない空間を《無限》と呼ぶのであれば、認識を可能にすることは困難である。
《人はどこへ行くのだろう、どこまで行くのだろう》
この故知らぬ不安が無限の根拠かもしれず、絶対という根拠を根底から否定される。
人は存在し、考える。しかし、人は宇宙の塵となり霧消していく極小の点に過ぎない。
無限の中の個、個の中の無限・・・尽きることのない思考の果て、無限の認識は答えを結ばない。
(写真は『マグリット』(株)東京美術より)
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