へらへらと父になりたり砂利道の月見草から蛾が飛びたちぬ
へらへらと父になりたり…思いがけず軽い感じで父になってしまった。
砂利道、でこぼこ道、地を固める以前の不安定な道である。
月見草は夜咲く花、蛾も夜活動する虫。夜の優しさに包まれた甘美な時空の怪しさに酔いしれた蛾(わたし)が、不意に飛びたった。
歓呼の声を上げたのである。
へらへらと、右も左もわからないまま自然の摂理に従い《父》になったという、挙動不審、狼狽えるさまが初々しい誕生秘話。(飛びたちぬ)、すでに事態は動き、始まっている。新しい門出、旅立ちである。
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