続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『夜会服』

2015-11-13 07:02:28 | 美術ノート

 裸の女性、長く美しい髪、後姿である。頭上には三日月、空と水面。水面には水滴なのか蒸気なのか上空へ気化していくような不思議な感じがある。

 全て有り得ない状況の組み合わせである。直立に近い三日月は見えないものだし、広いと思われる水面が全体煮えたぎって蒸気になり気体になっていくなど考えられない。それを見ているであろう女性にも驚愕の姿勢はなく沈着冷静な趣き。

『夜会服』ってどこに?
 女性は明らかに裸である。美しい髪も夜会服にふさわしく結い上げたものではない。
 アハハハ…これって、アンデルセン童話の『裸の王様』そっくり。

「これは馬鹿には見えない布で作った夜会服です」

 ・・・どんな夜会服なのか、見えないながらも探したyo。

 思い込みは眼には見えない。マグリットのニンマリ笑った顔が眼に浮かぶ。恐れ入りました。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


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