彫刻である、ゆえに平面として捉えないことを前提にすると、この道は水平線(彼方/消失点/無限)に向かい、平坦ではなくとてつもない急坂(銅板は立てかけてある)を暗示しているのではないか。(含んでいると換言してもいい)
人の近づけない、辿りつき得ない領域の提示である。
精神的な所有、希求としての雰囲気、世界観と自己内の鼓動の共鳴としての振動。
簡潔に見えて、驚異・・・脅威、人力の及ばないエリア、神域である。
地球の相を幾重にも重ね来た歴史上の想念の幻影・夢幻を追っている。
若林奮にとって振動とは、深淵なる神(未知の原点)と、風(大地と天空)の終わりなき響き合いと自身の存在(呼吸/生命)との共鳴である。
※神としか呼びえない不可思議な存在の核。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館
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