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箱の中に閉じられた樹は何だろう。この何もない無機的な世界に突如出現した箱、箱の中の一本の樹木。
樹は生の領域にある。しかし、光も当たらず、水も予想できないこの状況で生育は可能だろうか。死への移行は時間の問題に見える。ハゲタカ・・・死骸を食い尽くすという公園である。ここへ運ばれた生物はすべから(無)へと抹消されていく、そういう公の場所、本当の死の門前かもしれない。決して複数ではなく一つ一つが洗礼を受ける現世の形態を崩壊させるエリア(公園)である。
喜悦・歓喜は微塵もなく、暗鬱・寂寥が異世界の律によって機械的に送り込まれる仕組みが作用している場所である。恐怖・戦慄を包む静寂、刑場。冷徹にも見えるパイプの無機的な装置は逃避を許さない見張りであり包囲かもしれない。
写真は『マグリット』展・図録より
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