学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
今年は日本を襲う台風が実に多い。今朝一部の新聞によると、
熊の事故が後を絶たないのは台風のせいだというある動物
学者の話を載せていた。
その先生によると、熊は本来臆病な動物で人を襲うような
ことはまれだという。度重なる台風襲来で熊が神経過敏になり
それで人を襲うのだと話していた。
相場の世界では熊〔Bare〕は「売り」、牛(Bull)は「買い」である。
本来臆病な熊が人里近くまで下りてきて人に危害を与えるように
なったことは、「買い」から「売り」へ相場に転機が訪れたことを
教えているとしたら厄介だ。
ところ変わって米国では、ことしハリケーンがしばしば襲来した。
メキシコ湾を襲ったハリケーン・イワンは、テキサス油田に多大の
被害をもたらし、原油高騰に力をかした。米国でも今年は
ハリケーンの当たり年というから、日米ともに奇妙なめぐり
合わせだ。
原油相場は、ドバイ原油〔重質油〕は上げ止まり傾向が出て
いるが、ガソリンなどに使われるWTI(軽質油)相場はバレル当たり
55ドルを越えてなお高値追いを続けている。
風が吹けば桶屋が儲かるということわざがある。アジアが吹けば
世界が儲かる。アジア向けの輸出が伸びれば、そのまま、世界
景気が拡大する展開が少なくとも今年前半まで続いていた。
それが原油高騰の長期化で、アジア向けの輸出の水平線に
黒雲が姿を見せはじめたというアナリストが増えてきたことは
注目すべき変化である。
韓国の輸出は、今年2月までは、年率60%増を越えていた。
それがいま3%増である。台湾の輸出は、2月の46%増が
いま12%へ低下した。日本と中国除くその他アジア諸国の
輸出はことしはじめの50億ドルがいま10億ドルへ急減した。
GDP〔国民総生産〕に占める輸出を見ると、中国は96年の
21%から今年41%へ拡大した。タイは同じく39%が66%へ
増えた。ベトナム、台湾、マレーシア、シンガポール、香港、
韓国いずれもGDPに占める輸出比率を拡大した。
輸出減速で、GDPの成長率を、韓国は年初の6%を4%へ
下方修正した。タイは8%から5%へ下方修正した。中国経済に
ブレーキがかかったためだという専門家もいるが、原油高騰で
米国その他の国で景気が鈍化すると指摘するエコノミストが
増えてきた。
過去、原油高騰は日本経済のアキレス腱として、日本円が
大きく売られた経緯があった。今回は原油高騰にも
かかわらず日本円は対ドルで、1ドル=110円と堅調
なのはなぜなのか。
原油相場の動静には引き続き目を離すことが出来ない。(了)
今年は日本を襲う台風が実に多い。今朝一部の新聞によると、
熊の事故が後を絶たないのは台風のせいだというある動物
学者の話を載せていた。
その先生によると、熊は本来臆病な動物で人を襲うような
ことはまれだという。度重なる台風襲来で熊が神経過敏になり
それで人を襲うのだと話していた。
相場の世界では熊〔Bare〕は「売り」、牛(Bull)は「買い」である。
本来臆病な熊が人里近くまで下りてきて人に危害を与えるように
なったことは、「買い」から「売り」へ相場に転機が訪れたことを
教えているとしたら厄介だ。
ところ変わって米国では、ことしハリケーンがしばしば襲来した。
メキシコ湾を襲ったハリケーン・イワンは、テキサス油田に多大の
被害をもたらし、原油高騰に力をかした。米国でも今年は
ハリケーンの当たり年というから、日米ともに奇妙なめぐり
合わせだ。
原油相場は、ドバイ原油〔重質油〕は上げ止まり傾向が出て
いるが、ガソリンなどに使われるWTI(軽質油)相場はバレル当たり
55ドルを越えてなお高値追いを続けている。
風が吹けば桶屋が儲かるということわざがある。アジアが吹けば
世界が儲かる。アジア向けの輸出が伸びれば、そのまま、世界
景気が拡大する展開が少なくとも今年前半まで続いていた。
それが原油高騰の長期化で、アジア向けの輸出の水平線に
黒雲が姿を見せはじめたというアナリストが増えてきたことは
注目すべき変化である。
韓国の輸出は、今年2月までは、年率60%増を越えていた。
それがいま3%増である。台湾の輸出は、2月の46%増が
いま12%へ低下した。日本と中国除くその他アジア諸国の
輸出はことしはじめの50億ドルがいま10億ドルへ急減した。
GDP〔国民総生産〕に占める輸出を見ると、中国は96年の
21%から今年41%へ拡大した。タイは同じく39%が66%へ
増えた。ベトナム、台湾、マレーシア、シンガポール、香港、
韓国いずれもGDPに占める輸出比率を拡大した。
輸出減速で、GDPの成長率を、韓国は年初の6%を4%へ
下方修正した。タイは8%から5%へ下方修正した。中国経済に
ブレーキがかかったためだという専門家もいるが、原油高騰で
米国その他の国で景気が鈍化すると指摘するエコノミストが
増えてきた。
過去、原油高騰は日本経済のアキレス腱として、日本円が
大きく売られた経緯があった。今回は原油高騰にも
かかわらず日本円は対ドルで、1ドル=110円と堅調
なのはなぜなのか。
原油相場の動静には引き続き目を離すことが出来ない。(了)