NYダウ、138ポイント高・・・江嵜企画代表
10月26日、NYダウが138ポイント上げ、9,888ドルで取引を
終了した。これは6月7日以来の最大の上げ幅であった。
NYダウは、このところ低迷を続けており、11ケ月来最安値まで
下落していた。今回の反発で米国株が上昇に転じると見る関係者は
ほとんどいないようだ。
ドル相場が主要通貨に対して値下がりを続けていることは
重要な指標となる。高値で居座る原油相場、巨額な米貿易赤字、
それと最大の不確定要因の米大統領選挙が目前に迫っている。
株、債券、米ドルいずれも同じで、多くの投資家が米国資産に
安心してお金を使う気にならないからであろう。
NYダウは30銘柄で構成されている。採用銘柄の1つの
米大手保険会社のAIGが急騰したことが値上がりの起爆剤に
なったようだ。しかし、その日の原油相場が高値ながら
バレル54ドル台にとどまったことが投資家に買い安心感を
与えたことも米国株高にプラスに働いたようだ。
いま世界の投資家は原油相場に振りまわされている。
なかでも國際エネルギー機関(IEA)のデータが原油相場の
先行きに重要な指標を提供している。そのIEAが、
10月26日、2030年までの世界のエネルギー需要
予測を発表した。
話しは飛ぶが、最近のお医者さんは患者の顔も見ないで
熱が出て、患者がガタガタからだをふるわせているにも
かかわらず、まず検査である。患者の手も取らずに
取り出したデータだけ見て処方する姿が当たり前の
光景となった。エコノミストやアナリストも同じである。
IEAのデータで今年2月、事件が起こった。
OPEC(石油輸出国機構)IEAが発表した
在庫予測データを見て減産を決定した。
ところがIEAが中国の需要予測を間違えた
ために原油暴騰の引きがねとなった経緯がある。
IEAの長期予測では、世界の石油需要は
向こう25年間で年率1.6%増加、2030年には
日量1億2,100万バレルに達すると発表した。
現在の世界の原油生産は日量8,250万バレルである。
今回のIEAの需要予測は、原油価格は向こう25年間
バレル35ドルで計算している。高値が需要の伸びを
抑えると見ているようだ。現在原油相場はWTI(軽質油)で
バレル55ドルだからいかにも安く感じるが、今年の米国の
原油輸入平均単価が38ドルであるから今の水準の
やや低めを想定したかもしれない。
IEAは目先の需要予測も発表した。IEAは高値の
原油が需要を抑えるとみている。2005年は世界景気が
鈍化すること、アジア諸国特に中国がエネルギー効率を
重視すると指摘して需要が落ちる理由に挙げた。
IEAは信頼できるデータの発表に苦労しているようだが、
そのことに中国が大いに関係している。中国政府は半年以内に
最新の中国の需給データをIEAに提出すると約束したとIEAの
Claude Mandil専務理事が話したと今朝のウオールストリート
ジャーナル紙のネット版が伝えていた。
データも大切であるが、若いころから神様からいただいた
五感を常に磨いておくことがもっと大切かもしれない。(了)
10月26日、NYダウが138ポイント上げ、9,888ドルで取引を
終了した。これは6月7日以来の最大の上げ幅であった。
NYダウは、このところ低迷を続けており、11ケ月来最安値まで
下落していた。今回の反発で米国株が上昇に転じると見る関係者は
ほとんどいないようだ。
ドル相場が主要通貨に対して値下がりを続けていることは
重要な指標となる。高値で居座る原油相場、巨額な米貿易赤字、
それと最大の不確定要因の米大統領選挙が目前に迫っている。
株、債券、米ドルいずれも同じで、多くの投資家が米国資産に
安心してお金を使う気にならないからであろう。
NYダウは30銘柄で構成されている。採用銘柄の1つの
米大手保険会社のAIGが急騰したことが値上がりの起爆剤に
なったようだ。しかし、その日の原油相場が高値ながら
バレル54ドル台にとどまったことが投資家に買い安心感を
与えたことも米国株高にプラスに働いたようだ。
いま世界の投資家は原油相場に振りまわされている。
なかでも國際エネルギー機関(IEA)のデータが原油相場の
先行きに重要な指標を提供している。そのIEAが、
10月26日、2030年までの世界のエネルギー需要
予測を発表した。
話しは飛ぶが、最近のお医者さんは患者の顔も見ないで
熱が出て、患者がガタガタからだをふるわせているにも
かかわらず、まず検査である。患者の手も取らずに
取り出したデータだけ見て処方する姿が当たり前の
光景となった。エコノミストやアナリストも同じである。
IEAのデータで今年2月、事件が起こった。
OPEC(石油輸出国機構)IEAが発表した
在庫予測データを見て減産を決定した。
ところがIEAが中国の需要予測を間違えた
ために原油暴騰の引きがねとなった経緯がある。
IEAの長期予測では、世界の石油需要は
向こう25年間で年率1.6%増加、2030年には
日量1億2,100万バレルに達すると発表した。
現在の世界の原油生産は日量8,250万バレルである。
今回のIEAの需要予測は、原油価格は向こう25年間
バレル35ドルで計算している。高値が需要の伸びを
抑えると見ているようだ。現在原油相場はWTI(軽質油)で
バレル55ドルだからいかにも安く感じるが、今年の米国の
原油輸入平均単価が38ドルであるから今の水準の
やや低めを想定したかもしれない。
IEAは目先の需要予測も発表した。IEAは高値の
原油が需要を抑えるとみている。2005年は世界景気が
鈍化すること、アジア諸国特に中国がエネルギー効率を
重視すると指摘して需要が落ちる理由に挙げた。
IEAは信頼できるデータの発表に苦労しているようだが、
そのことに中国が大いに関係している。中国政府は半年以内に
最新の中国の需給データをIEAに提出すると約束したとIEAの
Claude Mandil専務理事が話したと今朝のウオールストリート
ジャーナル紙のネット版が伝えていた。
データも大切であるが、若いころから神様からいただいた
五感を常に磨いておくことがもっと大切かもしれない。(了)