篠笛コンサート:神戸うはらホール
江嵜企画代表・Ken
井上真美/Azumaユニット、「篠笛コンサート」が地元神戸東灘区にある「うはらホール」で午後1時半から開かれ楽しみにして出かけた。
1時の開場だったがたまたま前日近くの喫茶店で既に650の予約が入っていると聞いていたので少し前ぶれに会場に着いたが、既に満席状態だったのには正直驚いた。
篠笛をウイキぺディアで調べたら、日本の木簡楽器のひとつ。篠竹に歌口と指穴を開け、漆ないし合成樹脂を管の内側に塗った簡素な構造の横笛と出ていた。
篠笛奏者の井上真美さんとシンセサイザー奏者、Azuma氏との呼吸もピッタリ、第一部ではお馴染の叙情歌17曲、15分の休憩後の第二部では恋を歌った万葉集を題材にした新曲3曲と叙情歌7曲を堪能した。
涙腺が短くなったせいか演奏の途中から目がうるうるした。横のご婦人に目がいったらしきりに涙を手で抑えておられることに気付いた。
第一部で吹かれた歌は以下のとおりである。
かごめかごめ、通りゃんせ、七つの子、赤とんぼ、シャボン玉、てるてる坊主、茶摘み、ずいずいずっころがし、蹴鞠と殿さま、ゆりかごの歌、叱られて、内緒話、母さんの歌、中国地方の子守唄,みかんの花咲く丘、夏は来ぬ、鈴掛の経、惜別の歌、ふるさとが演奏された。
「ふるさと」は、今特に、心を揺さぶられます、と井上真美さんは話された。おそらく東日本大震災を受けた日本の現状をさしていわれたに違いない。「私は笛を吹きます。会場の皆さまは歌詞がパンフレットにありますから、歌ってください」と言われ、会場では心ひとつとなって「ふるさと」を歌った。
第二部で吹かれた歌は、万葉の歌3曲のあと、からたちの花、浜千鳥、椰子の実、浜辺の歌、宵待ち草、荒城の月、月の砂漠と一気に進み、ゴンドラで締めた。
会場では緞帳が下りた後も拍手がしばらくやまなかった。
会場出口で「花」というタイトルのアルバムを買って自宅で改めて聴いた。篠笛の音がシンセサイザーの音に自然に溶け込み、語弊を恐れずに言えば、会場で聴くより良かった。
会場の様子をいつものようにスケッチした。惜しむらくはお年寄りがほとんどだった。一人でも多くの子供たちにこそ聴いて欲しい演奏会だった。
7月2日(土)、クオレ大阪東ホールで「花うるはしき」リサイタルが開かれると聞いた。お近くにお住まいで時間の許される方にはお薦めの演奏会になるだろう。(了)