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米インフレ懸念台頭で、NYダウ48ドル安ー学校で教えてくれない経済学

2007-02-22 07:43:33 | 経済学
米労働省は、2月21日、2007年1月の米消費者物価指数(CPI)が0.2%増、食料・エネルギーを除いたコアインフレ率は0.3%増と発表した。

日本では消費者物価指数が発表されても新聞含めメディアでも大きく取り上げない。ところが、米国では敏感に反応する。特に金利に敏感な株式市場では、原油60ドル復活、金相場23ドル高とインフレ懸念が台頭、NYダウは前日比48ドル下げ取引を終了した。

NY為替市場では、日銀が短期金利を0.25%上げ年0.5%と発表しにもかかわらず、対円でむしろドルが買われた。これは米CPIが予想以上に上昇した結果、米国の利下げ期待が後退、日米の金利格差拡大にブレーキがかかるとの思惑が出た結果であろう。

日本ではインフレといってもピント来ない。しかし、1000円札を出してもランチが食べられなくなるとそこで初めて実感するのであろう。1万円でガソリンが満タンに出来ないとわからないのかもしれないが、インフレ懸念に敏感に反応する欧米との差は歴然としている。

ただ、日本でも、病院のカウンターでは、1万円出しておつりが少なくなってきている。さすがの日本人でも徐々にお金の値打ちがなくなってきていることを少しは実感するようにはなっているが、60年前に預金封鎖を経験したひともほとんどいなくなっているように、お札が朝起きたら紙切れになる怖さが欧米人と比べてはるかに少ないのかもしれない。

ガソリンは年初原油安を受けて値下がりした。エネルギーコストの落ちつきで、米物価上昇の元凶は、医療費と食料品になっている。医療費は0.8%上昇した。これは1991年8月以来、食料品は0.7%上昇した。これは2005年8月以来と今朝のWSJ紙は解説している。

WSJ紙のJustin Lahart記者は、食料費の上昇は、りんごやレタスなどで有機野菜・果物の値上がりが影響しているのではないかと指摘した。有機野菜の業界団体のOrganicMonitorによれば、2006年の有機野菜の売り上げが前年比20%増加、400億ドル(4兆8,000億ドル)に達し、品不足状態が続いているという。健康志向の反映かもしれない。

日本でも健康のためなら死んでもいいと健康マシンを日々踏み続けているというご婦人の話を聞いたことがある。これはいかにも行き過ぎであろうが、欧米では病気の原因が食生活にあるという意識が次第に大衆レベルにまで浸透してきて、それが日本食ブームに拍車をかけているようだ。皮肉にも日本ではご飯、味噌汁、特に小魚を食べない家庭が増えた。

米国でインフレが警戒されるのはドル紙幣の値打ちがなくなるためだ。その結果、利上げしてドルの目減り食い止めに動く。米国の1月のCPI上昇の記事を注目して欲しい。(了)

江嵜企画代表・Ken



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