思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ウクライナとNATOが 崩壊のステージ  欧州在住のChihiro Sato-Schuh さんの見方。

2023-07-24 | 社会批評
4時間  · 

以下は、佐藤さんの投稿で、日本のニュースとはまるで異なります。ご参考までにお読みください。
【崩壊のステージ】
 
アメリカ政府は、轟々の非難を浴びながら、ウクライナにクラスター弾を送ってしまったけれど、それでこの頃、ウクライナではクラスター弾で民間人が死んでいるという情報が入ってきている。クラスター弾は、広範囲に小型の爆弾を散らしてしまうので、民間人が巻き添えになる確率が高い上、大半がすぐに爆発しないので、紛争後も数キロに渡って危険地帯として残ってしまう。去年の夏に、ロシア軍がドンバスでそういう爆弾を使ったと報道していたときは、これは事実ではなく、実際にはウクライナ軍が使っていたのだけれど、ジェノサイドだとか残虐だとか大騒ぎしていた。だけど、アメリカが送るとなったら、何の問題もないかのように言っている。西側諸国の「ルールに基づいた世界秩序」の典型的な例だ。ルールなるものが、その都度でコロコロ変わるのだ。
 
クラスター弾は、これまでもNATOがいろいろなところで使ってきて問題になっているけれど、しかし、自分の国でクラスター弾を使った国は、ウクライナが初めてだろう。その事実を見ただけでも、ウクライナ政府がウクライナの国民のための政府ではないことははっきりとわかる。ウクライナ政府は、2014年のマイダン革命で、アメリカから送り込まれた工作員たちがクーデターを起こして乗っ取った政府なのだ。それ以来、ウクライナ政府はウクライナという国を利用して、ありとある金儲けをしている
6月にウクライナ軍が反転攻勢を始めてから、ウクライナ軍の戦死者の数がものすごいことになっている。毎日のように一千人近いウクライナ兵が死亡している。ウクライナのための政府だったら、こんな事態になって、まだ領土にこだわって戦争を続けるなど、あり得ない。そもそもその領土というのも、住民が望んでウクライナからすでに独立しているのに、だ。
 
それでこの頃、ウクライナの各地から、男たちが拉致されるように徴兵されている動画がSNSに流れてくる。街を歩いている人を捕まえて、力づくで車に乗せて前線へ送り込んでいるというのだ。このような徴兵は、半年以上も前から行われていた。一時期は10代の男の子たちがそうやって動員されていたというのだけれど、この頃は年上の男性たちが狙われているらしい。
そんな風にして、無理やり連れてきて、ろくな訓練もなしに前線に送っているのだから、戦死者の数がすごいことになるのも無理はない。あるウクライナ兵は、訓練といってフランスに一ヶ月送られたけれど、そこではただロシア人を殺せという洗脳教育みたいなことをやっただけで、射撃の練習さえ2回しかやらなかったと言っていた。負傷者が出たときの応急処置の仕方さえ習っていない。それで、前線に出されてみたら、地雷がしかけてあるところを進撃しろと言われたので、見殺しにされると気がついて、ロシア軍に投降したと言っていた。
 
今に始まったことではないけれど、この頃ウクライナ政府がやっていることが、もうあまりに狂っている。西側のメディアは、これまではすべてロシアがやっているように言ってきたけれど、この頃ではもうどうでもよくなったのか、クリミア橋の爆撃もクラスター弾も、堂々とウクライナ軍がやったと言うようになった。市民虐殺もジェノサイドも国際法違反も、もう今さら隠す気もないのか、どうせもう人々も思考が麻痺してしまっているから、矛盾に気づきもしないと思っているのか、何なのだろう?
ナチス・ドイツは、ユダヤ人を差別して虐殺したけれど、ウクライナ政府はロシア人を差別して虐殺している。第二次世界大戦のときは、ナチス・ドイツだけがやっていたけれど、今はウクライナだけではなく、西側諸国でロシア人が差別されて、財産没収されたり、銀行口座を閉められたりしている。もはやナチスよりもひどい。ナチスだって自分の国に爆弾落としたりしなかったけれど、ウクライナはそれをやっているのだ。
 
もともとほとんど同じ民族なのに、ロシアのものはすべていけないというので、ウクライナではロシア正教まで禁止になった。それもすでにロシア正教ではなくウクライナ正教と名前を変えていたのだけれど、キエフの修道院が接収されて、聖職者たちは逮捕された。ウクライナでは、野党はもう前から禁止されているし、反政府発言も禁止されていて、見つかったら刑務所送りだ。しかも、ゼレンスキーは、戦争が終わるまで選挙はやらないと言っているらしい。これも、ナチスドイツでヒトラーがやっていたことだ。ウクライナはすでにナチス以上の独裁政権になっている。
 
崩壊のステージに入ると、こんな風になるものなのかもしれない。もはや適当なところでやめて、調和を取り戻そうなどという方向には進まないで、とことん崩れるまで、自滅的な方向へと突き進むのだ。そうやって、古い世界が自滅へと加速度的に向かっていく間に、古い支配構造にもう飽き飽きしている人たちが、やはり加速度的に古い世界から離脱していっている。
 
ロシアはウクライナへの軍事介入を始めたときから、着々と世界中の国々と繋がって、新しいネットワークを作っていっている。これまで西側のグローバル金融資本家は、危機を利用して世界を支配していた。それがつまり、市民革命以降の世界に戦争が絶えなかった理由なのだ。これは実のところ、民族間の闘争でもなければ、民主化のための戦いでもない。戦争が起これば金融が変動するので、それを利用して、お金儲けをしていただけなのだ。しかし今、そのやり方に飽き飽きした国々が提携して、もはやそんな金儲けができないシステムに変えていっている。そしてそのネットワークは、世界的な規模で大きくなっている。
 
それまで西側のシステムは、民主主義に基づいているからフェアで信頼できるということになっていた。だからこそ、世界中を支配することになったわけなのだけれど、これが実は民主的でもなければフェアでもないということが、はっきりしてしまったのだ。西側諸国はロシアのドルやユーロの資産を凍結して、奪い取ってしまった。それを見て、西側以外の世界中の国々は、ドルやユーロから一刻も早く離脱しようとしている。国連機関も、メディアも司法も、もうあまりに矛盾だらけなので、西側以外の国では信頼されていない。ロシアの国際経済フォーラムは、ダヴォスの世界経済フォーラムをすでに追い越したし、世界の大多数の国は、G7よりもBRICSサミットに注目している。
 
そうした中で、ロスチャイルド家の跡取りのアレキサンダー・ロスチャイルドが、ロシアのいたずら電話チーム、ヴォヴァン&レクサスに引っかかって、ゼレンスキーと話していると思って話した会話が録音され公開されてしまったのは、西側支配がいよいよ崩壊している徴のようにも思える。ロスチャイルド家といったら、フランス革命の頃から、戦争を起こしては金融で大儲けして、政府をお金で操っていた一族だ。その跡取りのアレキサンダー・ロスチャイルドは、表にはほとんど出てこない人だというのだけれど、それがゼレンスキーと秘密の話をしていると思って、いわば秘密の話を表に出してしまったのだ。ロスチャイルド家は、ウクライナ紛争が始まったときにも、ウクライナの債権を買い叩いて、大儲けしていたそれで今度は、ウクライナの復興で大儲けしようとして、復興に資金を出す用意があるという話をしていたのを、録音されてしまった。
 
パンデミックで、西側の「慈善家」たちがどのようにして大儲けしたのかを、私たちは見てきたから、ロスチャイルド家がウクライナの復興に援助するとはどういう意味なのかは、もうわかる。復興援助といっていくらかのお金を出し、その10倍ものお金を各国の政府から集めて、自分が資金を出している企業に法外な金額で請け負わせるのだ。そうやって税金から巨額のお金を流し込むのが、あの「慈善家」たちのやり方だ。
 
ロスチャイルド家の跡取りが、ゼレンスキー相手にそんな商売をしようとしているのを、秘密の電話の録音で公開されてしまったのは、この世界をこれまで支配してきた闇の力も、白日の元にさらされて力を失うことの象徴のように思える。ヴォヴァン&レクサスはそれだけではなく、アメリカで影の力を支配していると言われているヘンリー・キッシンジャーも、この頃引っかけてしまった。相手がゼレンスキーだと思って、クリミアを征服しようとするのは現実的ではないし、戦闘が激化することになるだけだと言っていたそうだ。
 
どちらの会話も、もはやNATO諸国はロシアに勝ち目はないということを示しているようだ。しかし、彼らはそれでもやり方を変えることはできず、破滅に向かって進んでいくしかないらしい。ここのところ毎日、西側諸国とウクライナの狂気じみたふるまいがSNSに流れてくる。それはまるで、もう堕ちるところまで堕ちて、悪魔主義者としての己の真実の姿を表にさらけ出してしまったかのようだ。
 
もうすでに雪崩のように崩壊し始めているのなら、何もしなくても、そのまま放っておいたら、自分から滅びていってしまうのかもしれない。ロシアはキエフを攻略して、戦争を終わりにしようとはせず、悪魔主義者たちが力尽きるまで、防衛に徹しているようだ。相手がすでに自滅の道を進んでいるのであれば、それが一番効果的な方法なのかもしれない。今この状態で、世界を何とかしようとしていたら、まったく絶望的に思えるくらいの狂いようなのだけれど、何とかしようとなどしないで、ただ嵐がすぎるのを待つように、持ちこたえていればいいということなのかもしれない。
***
画像は、ロシアのいたずら電話チーム、ヴォヴァン&レクサス(左)といたずら電話に引っかかったアレキサンダー・ロスチャイルド

3人、、「шау вил александрротшильд ротшильд глава Rothschild & Co」というテキストの画像のようです
 
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仰天した!いま、日本彫刻界の頂点=木内克の本を超えたが本届いた。

2023-07-21 | 芸術
仰天した!いま、日本彫刻界の頂点=木内克(きのうち よし)の本を超えた写真集が届いた。
表紙はほんものの金彩レリーフで、撮影は吉岡康弘と土門拳。60部限定のオリジナル本(普及版ではなくほんもの―17万円)だ。圧倒されて言葉がない。
入手価格は言えない(笑)高くてではなく、あまりにも安すぎてもらったも同然。感激と感動で、まだドキドキが収まらない。

木内克(きのうち よし)は、日本のマイヨールだが、それ以上かもしれない。自由そのもの

 
 
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22日(土)午後1時30分より、五反田のアイアイスクールで、「武田先生との哲学対話の会」自由対話の時間も1時間以上!

2023-07-21 | 恋知(哲学)
昨晩のズームでの打ち合わせの様子です。
22日(土)午後1時30分より、五反田のアイアイスクールで、「武田先生との哲学対話の会」がありますので。
恋知について簡明なお話しをした後、1時間以上、対話の時間をとります。
お申込みは、アイアイスクールまで。ナマもズームもどちらでも可。

写真の説明はありません。
 
 
 
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エロース像などテラコッタの精神に惚れ最初に技術を習得した日本近代彫刻の巨匠=木内克の蝋型人形を紹介「エーゲ海に捧ぐ」

2023-07-20 | 芸術

 朝倉に学び、ブールデルに学び、独立して『ルーブル美術館』を学校とした木内克(きのうちよし)は、ギリシャ・アルカイックに惚れ、その彫刻の精神を己のものとして、84歳の晩年まで衰えることなく制作を続けた偉大な彫刻家でしたが、

 彼がつくった蝋型人形(ローマで制作の51点)の写真集に感動しましたので、昔の本ですがご紹介します。

 なお、木内は、ルーブルにあるたくさんのラコッタ(素焼)の人形に、たいへんに感心・感動して、もっとも有名な「エロース」【飛ぶエロース】像をはじめ、多くのテラコッタを毎日のように通い、見続けたのです。日本人で最初にテラコッタ制作技術を身に付けて、帰国後に多くの作品を制作しました。


 (紀元前の制作で「飛ぶエロース」像・ルーブル美術館所蔵)


 彼は、古代ギリシャの偉大な精神をテラコッタに見たのでした。
「よくタナグラ人形とよぶ人がいるが、あれは間違いだよ。テラコッタは人形なんかではない。あくまで彫刻だよ。小さな像の頭一つでも、大きな彫刻と同じ仕事がしてあって、図太く、弱さがない。わずか20センチほどの像でありながら、すごく大きく感じさせるんだよ」
 その最も有名なのがエロースの像(プラトンの学園「アカデメイア」の主祭神)です。



以下の「エーゲ海に捧ぐ」という写真集は、テラコッタではなく、蝋型人形ですが、自由で躍動的な女性像、木内が言うように「草書のよろこび」に満ちたものです。

木内克(きのうちよし)

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ソクラテス教室(白樺教育館)ではしゃぐ小学生~~~~

2023-07-10 | 教育

学習(考え学ぶ)前に、大はしゃぎで楽しい~~~。


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袴田さん87歳、再審で無罪のはずが、検察官は、有罪立証すると。人間失格者の集合としか言えない。許せぬ!

2023-07-09 | 社会思想

袴田さん87歳、再審で無罪のはずが、検察官は、有罪立証すると裁判を長引かせる作戦に出た。
証拠捏造の悪人たちの更なる悪どさは、許し難いもの。
検察官とは人間失格者たちの集まりのようだ。
悪徳政治家は見逃し、えん罪で個人を苦しめる。絶対に許せぬ所業だ。人権思想の否定者たち。
こういう親を持つ子がどう育つのか? 

そもそも再審が決定した後で、検察が異議申し立てができるという制度は、民主主義思想とは相いれないものだ。

武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室客員調査員=官僚たちに哲学と日本国憲法の哲学的土台を講義)

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学校化と病院化が完成された日本。天皇を京都に戻し人権を保障する。共和国日本は、伝統と革新の同時実現

2023-07-06 | 社会思想
お上が正しいのです。野人はいかがわしい存在です。

学校価値と病院価値。学校化と病院化が完成された世界一の国が日本国です。世界最長の祭祀王=天皇陛下が存在するありがたい国に生まれたあなたは、国体思想を崇め、神聖なる神の国=天皇陛下万歳の国の人にふさわしくお国のため=天皇陛下のために尽くすことで救われます。

皇族を敬愛しなさい。憲法1条にある通り、「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」です。このシンボルという概念=言葉は、マッカーサー総司令官が発案し、昭和天皇裕仁との合意でつくられたもの。日本国民は永遠に天皇家と米軍のものです。アーメン(笑笑)というわけで護憲の会に入りましょう~~~(満点大笑)

まじめにそう思っている狂人は結構いるようですね。日本にはウヨクもサヨクもなく、みな明治政治が拵えた「天皇教」徒のようです。

日本の歴史に一度もなかった「一世一元の元号」を使い、まったく縁のない江戸城をいまだに天皇に占有させ、全員が最大級の敬語で遇するお方がいることに何の疑問も感じないのですから、さすが明治政府がつくった国家カルト教で、その威力は絶大。統一協会というような甘いものではありません。

天皇陛下万歳!皇族敬愛。主権在民とか差別の禁止とか人間存在の対等性とは、言葉だけのもの。この露骨な堂々たる差別の国で、そんなのを信じたふりして生きるあなたは、とてもよい人ですね(笑)

共和国日本をつくりたい。天皇は京都御所にもどり自由なくらし。公的・公共的な場では世界暦(西暦)を使う。それだけで、わが日本は、正常で気分爽快な国に大変身します。土台・中心が変われば、すんなり改革は進みます。各政党の方、分かってほしい。


武田康弘



 
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日本社会から活力が消えた最深の原因は、明治政府が拵えた「天皇教」の清算をしないことにあるのです。

2023-07-06 | 社会思想

なぜ、明快な批判はないのか、なぜ辛口批評はないのか、片側情報だけなのか、これでは、ソフト独裁になり、人々から思考が消える。真実の面白さがない平板人間だけとなり、社会から活力が奪われる。テイタラクが蔓延し緩慢な死が訪れる。元からアウトだ。

 

  • 金野 奉晴
    批判すべき対象はアメリカの覇権主義、戦争主義です。我々が抗議に押し掛けるべきは在日米軍横田基地であり、アメリカ大使館です。国会議事堂前や首相官邸前で抗議するのは対症療法であり、根本治療ではないのです。
    日本再生の近道は在日米軍一掃です。
     
  • 武田 康弘
    金野 奉晴さま
    もちろん、金野さんの批判はよく分かりますが、
    わたしは、元凶は、明治政府が拵えた【天皇教という国家宗教】(靖国思想=国家神道=国体主義)にあると確信しています。
    日本史上一度もなかった【一世一元の元号制度】で天皇現人神という思想を国民全員の心身に埋め込み(岩倉具視発案)、京都から皇族の長の天皇を【江戸城】に連れてきて、崇めさせる(伊藤博文・山県有朋がまだ14歳の睦人を教育して現人神にした)、ことに象徴される国家宗教が、いまもそのまま(ソフト化されましたが)であることがわが国の不幸の深因だと確信しています。
    マッカーサーの発案で、現日本国憲法にシンボルという言葉を入れたのは(天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である)、明治政府がつくった【天皇家のお家安泰】を保障し、【米軍】と共に、日本全土を支配し続ける最高の戦略でした。
    戦後もまだ明治維新政府がつくった天皇教を清算できないので、天皇家と米軍による支配は永遠になっています。

    ぜひ「明治政府がつくった天皇という記号」pdfをお読みください。必読と思います。


    武田康弘
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人権思想の淵源は、宗教(一神教)や哲学(理論体系の哲学及び人生哲学)ではなく、幼子の存在です.

2023-07-02 | 恋知(哲学)

人権思想の淵源は、宗教(一神教)や哲学(理論体系の哲学及び人生哲学)ではなく、幼子の存在です.

 昨日の大学クラスでは、同時代人であるルソーの「自然人」と安藤昌益の「真人」との重なりと違いをやりました。
(『中江兆民と安藤昌益』安永寿延著1978年レグルス文庫から)) 

  そこから、話は広がって、
《人権思想の淵源》の考察となりました。

強い一神教であるキリスト教を下敷きとして持つ「人権」の概念は、人類普遍の、とは言いますが、そこには超越神の存在を置く宗教的信念が隠されています。
わたしの、人権思想の淵源についての見方は、欧米のキリスト教思想(人格をもった一人の神が宇宙も人間も創ったという物語を事実だとする強烈な一神教)とはまるで異なりますので、そのお話をしました。

それは誰にも、どこの国の人にも納得できるとおもわれる話です。

人権という思想の淵源は、赤ちゃん・幼児の存在です。


カナちゃんの黒板絵

(ソクラテス教室 小2 カナちゃんの黒板絵)

幼子は、生まれた瞬間から「個性」をもち、泣き方もみな違います。その一人ひとりの命は、かけがえのないもので、他の誰とも取り換えることのできない命です。金持ちや有名人の家に生まれた子も、貧乏な家に生まれた子も、そこには上下はなく、価値に少しの差もありません。赤ちゃんは、みなが大事で尊い存在として生まれてきたのです。これは、特定の思想や宗教とは何の関わりもなく、子を持つ親が誰でも自然に感じ、思うことです。子を守り育てようとする心は何よりも深く大きいです。固い言葉で言えば、この心にこそ「究極の普遍性」があると言えます。わが子のない人も、そこが淵源であることは十分に了解できるはずです。病的に歪んだ人でない限り、幼い命に対する思い=愛情は、みなに共通しています。

 ここに「人権思想」の淵源があり、特定の宗教や哲学に淵源があるのではありません。だからこそ、人権とは、決して侵すことのできない人類普遍の原理なのです。自由も平等も博愛もみな、〇〇主義や〇〇宗教ではなく、自然な人間の想いや感情から生まれますので、人権は、幼子への心身全体による愛情を淵源とすると言えます。そこから自ずと立ちあがってくる思想です。

 一神教的でも、共産主義でも、安倍首相らの戦前思想=国体思想でもなく、自然な人間の感情から生じる世界共通の人の想いそれがほんらいの人権思想の淵源だというのがわたしの考えです。

一人ひとりのかけがえのない人間=「個人」の尊厳、みな「唯我独尊」として生まれてきたことの自覚、それが人間が人間として生きる上での土台となる考えです。

武田康弘

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