マイヨール 賛 (クリックで、白樺教育館ホームに掲載の写真集に飛びます)
マイヨール(アリスティード・ボナヴェンテュール・ジャン・マイヨール)の彫刻の数々を染谷裕太君がパリとバニュルスで撮影してきました。内側から湧出する美の傑作です。撮影は2015年秋。(掲載の写真は、クリックで大きな画像を見ることができます)
マイヨールの彫刻は内的豊穣の極みであり、内側から湧き上がる豊かで強い美は20世紀最高の彫刻と見るわたしの要望を受けて、裕太君が優れた写真をたくさん撮ってくれました。裕太君は、その作品群が眠るマイヨールのアトリエを改装したバニュルスのマイヨール美術館に一泊させてもらうという体験までしたのでした。おお、なんということでしょう~~
※1. なお、ここに公開する写真は、どなたでも使用できますが、
「染谷裕太さん撮影ー白樺教育館ホームページより」 と明記してください。
明記されないと、著作権違反となりますので、ご注意ください。
※2. 最後の2枚は、国立西洋美術館にある「夜」です。2013年にわたしが撮影しました。
染谷君の写真を含めて機材は、ソニーRX-1R(ツァイス・ゾナー35㎜F2)です。
一部にソニーα6000(レンズはツァイス)
武田康弘
パリには、日本語の話せる(ペラペラではないですが)フランス人のお宅に泊まらせてもらい、一週間ほど滞在しました。その間、連日カルーセル庭園に通いつめ、他にもルーブル、オルセー、ポンピドゥ(モダンアートの美術館)と、浴びるように毎日芸術に触れましたが、このような体験ははじめてで、フランスは、街並みを含めて優れた芸術作品が当たり前のように傍にあることに驚き、日本との差を感じました。
武田先生からは、パリのマイヨール美術館も行って欲しいと頼まれていたのですが、残念ながら改装のため閉館中。ということで、もしかしたらマイヨールの生誕地バニュルス=シュル=メール(南フランスのスペインとの国境近く)にも美術館があるのでは?と思い、調べると、バニュルスにもマイヨール美術館を発見。元々はマイヨールのアトリエだった建物を改装した美術館は、町から少し離れており、本当にこっちで合ってるのか?と疑いたくなるような細い小道を通って辿りつきました。どこかの国と違って、雰囲気を壊すような看板や賑やかしの幟(のぼり)は一切なく、マイヨールがそこにアトリエをかまえた意味を伝える様に、ひっそりとありました。これはエクス=アン=プロヴァンスにあるセザンヌのアトリエでも同様でした。
美術館で働く職員の方に、マイヨールの彫刻について少し英語で説明をしてもらいましたが、マイヨールの彫刻では「体幹」の部分がとても重要で、そこがパワーの源だと考えられている。マイヨールの彫刻は手足などの末端で表現する「ラテンの文化」ではなく、古代エジプトや古代ギリシャ、そしてアジア(これは意外だった)の文化が入っている、とのことでした。そして、ひとしきり説明を受けた�後、美術館に泊まらせてもらうという想像もしなかった展開に。マイヨール美術館に泊まったのは、たぶん日本人初のことと思います(笑)
そして、今年2018年の春から夏にかけては、総まとめの旅としてトルコ、ギリシャのエーゲ海沿岸、古代ギリシャ文明の地を旅し、マイヨールを感嘆させた古代ギリシャの彫刻群もたっぶり見てきましたが、マイヨールとロダンを足して強化したようなギリシャ彫刻はやっぱり凄かった! (笑) 西ヨーロッパとは異なるエーゲ海文明の旅の様子は現在まとめているところで、完成次第、白樺教育館ホームページで公開されますので、お楽しみに!
染谷 裕太