以前にお知らせした通り、サルトルの実存的精神分析及び倫理についてお話します(大学クラスでは、8月6日の木曜日夜7時30分より。恋知の会では、8月12日水曜日午後1時30分より)が、
第1回では、キーワードである「想像力」(イマージュ イマジネール)について、音楽と絵画も使い、分かりやすく面白い授業をします。
先々月に出たサルトルの処女作「想像力の問題」の新訳「イマジネール」は、2005年にフランスで出た新装版によりサルトルの養女による序文と、訳者の澤田 直さんの明晰な解説もついた優れもので、驚きの新訳です。
初の哲学論考「イマジネール」は、初の長編小説「嘔吐」と共に、大著「存在と無」に直結するもので、サルトルの思索の旅立ちが、心理学(土台から間違っている経験的心理学ではなく哲学的心理学)であったことが明瞭です。新訳「イマジネール」の副題は、≪想像力の現象学的心理学≫です。
「存在と無」を日本的現実の中で読んだ「サルトル哲学序説」(わたしが師事した竹内芳郎さんの処女作)の第4部・実存的精神分析を了解するために不可欠な「想像力の問題」の新訳「イマジネール」の登場は、なんともありがたいものです。 澤田 直さんと水野浩二さんに感謝です!
武田康弘