思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

元横綱大鵬の言葉―「金の力で成る『巨人軍』と同じにされるは不愉快だ。」

2013-01-31 | 社会批評

「巨人・大鵬・卵焼き」

通産省に出入りしていた新聞記者たちが、官僚だった堺屋太一さんの言葉を広めたのですが、大鵬はそれを不愉快に思っていた、と東京新聞は20日に一面で紹介していました。

金の力で有力選手を集める「巨人軍」が強いのは当たり前、自分は貧乏どん底からの一人、同じにされるのは不愉快。との大鵬の言葉=反骨精神は、見習うべきものと思います。

今朝の東京新聞には、昨夜の通夜での王貞治さんの言葉が紹介されています。
「巨人、大鵬、卵焼きと言われたが、あなただけが個人。いかに偉大だったか」と讃え、
自分と同じ1940年生まれのゴルフのジャク・二クラウスさんと合わせて「ひそかに自分の中で『大鵬、二クラウス、王貞治』と思っていた」と明かした。と書かれています。

「私」からの出発、個人の自由と責任、いまも過去もわが日本に一番欠けているものは、この思想=精神だと思います。一人ひとりの「主観性」を豊かにする努力こそが何より求められます。誰でもが例外なく個性をもった個人です。日本的集団主義は、人間的輝き・悦び・魅力を消去してしまいます。

武田康弘

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誤魔化(ごまか)しと狡さは、わが国の権力者の伝統のようですー安倍首相演説

2013-01-29 | 社会批評

目くらまし、
その場その場をしのぐ誤魔化し、
狡さ、
善美とは対極にある政治主義。

かつて、その醜さ(好戦性)を隠すために「美しい」という形容詞を使い、
いまは、その弱さ(表層性)を隠すために「強い」という形容詞を使う。

自身の時代錯誤の信条を隠しつつ国民を教化するために【道徳】(国家主義の政治支配者に都合のよい様式主義の思想)教育を政治権力により成そうと画策し、
その中心に明治政府のイデオロギー(「近代天皇制=靖国思想」)である【皇室への尊敬心】を育てる教育を置く。

このような近代民主主義(人民主権)に反する自身の思想については一言も語らない「所信表明演説」。参議院選挙まではほんとうの目的=超タカ派(ネットウヨクとほぼ同じ)思想を隠し、騙(だま)し通す決意表明としての安倍首相の所信表明演説を聞き、わたしは吐き気を催しました。

戦前からずっと国家権力者の家系にある安倍首相(戦後も皇室批判を許さない【不敬罪】を残そうと奔走した吉田茂をはじめ、岸・佐藤兄弟など、首相経験者だけも7名)は、自身の本『美しい日本』で、戦後の民主主義社会への批判を展開し、特攻隊員の心を天皇制の日本に殉じたものと決め、彼らへの尊敬の念をもつ必要を言いますが、敗戦が避けられない現実になった後で、若者を残酷な死に至らしめる【特攻隊】を組織した許し難い当時の国家権力者(自身の家系)の思想と行為への批判は一言もありません。

 ここに安倍首相の「心」が端的に現れています。このような想念をもつ人物が行う教育改革の恐ろしさをみなが自覚しないと、わが国はまたかつてきた道へと戻ります。ますます『人間を幸福にしない日本というシステム』(ウォルフレン)は強固なものとなり、自由闊達・普遍性を求める豊かな人間性・平等心と優しさ・当意即妙のしなやかな頭と心は失われます。形式・様式主義と厳禁の精神・紋切型の愛国心が支配し、「私」の主観性は消去されます。明治天皇賛歌の「君ケ代」を歌わない子・人は「非国民」としてパージされます。「【人権思想】を廃棄し【国民の常識】に戻す」(安倍首相のブレーンの八木秀次氏の言葉)ということになりますが、そのような社会を認めるなら、われわれ日本人は、今度こそほんとうにお終いでしょう。

わたしは、言葉の最良の意味で「愛国者」(わが日本の未来・こどもたちの一人ひとりの違いがよろこばれる伸び伸び社会をつくるために頑張る人間)ですので、安倍首相の想念=思想を認めることは到底できないのです。

武田康弘

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「中国と早く手を握れ」ーーーー第55代総理大臣・石橋湛山

2013-01-25 | 社会批評

「今次の大戦(太平洋戦争)の中心は、中国にあったのであり、・・しかも相手は暴虐の限りをつくした日本に対して、仇を恩で返すことを国是とし、いっさいの報復主義を排して逆に手を差し伸ばして来ている。それが容易でないことは、立場をかえてみれば自明である。」(「池田外交路線に望む」1960年8月8日『朝日新聞』)

と石橋湛山は述べています。

彼は、中国が15年戦争の賠償を放棄してくれたおかげで、日本経済は再生できたのであり、その仇を恩で返すごとき行為に対して、日本が独自で(アメリカの意向ではなく)中国と国交を回復すべきであると主張しました。湛山が病気で倒れた後、弟子の田中角栄が自民党多数派の反対を抑えてそれを果たしたのが40年前のことでした(それゆえに角栄はアメリカ政府の陰謀で潰され、最近では小沢一郎もまた同じ目にあいましたが、それについては、外務省国際情報局トップだった孫先享(まごさき うける)さんのミリオンセラー『戦後史の正体』をご覧ください)。

しかし、昨年、中国憎しの感情を持つ石原前都知事の画策で尖閣(魚釣島)が国有化されたのをキッカケに、大変な事態になってしまいました。
ネットウヨクや安倍政権の「明治への復古と軍拡路線」の正当化を後押しするような報道がNHKを中心に連続で流され(中国や台湾の領海・領空侵犯という解説と映像)、わが日本国民は理性を失いつつあります。
安倍政権は、国民の国家意識を強めさせ、国防軍をつくり、「皇室尊敬」を徹底させるように教育改革を進めるというのですから、開いた口が塞がりません。

 (なお、領土問題の核心については、 『白樺教育館』ホームページに書きましたのでご参照ください。)

 いま再び言いましょう。「何よりも一番大事なことは、中国と手を結ぶことだ」と。それは、最大の国益となり、同時に世界益となるのです。石橋湛山が生きていたら、間違いなくそう言うはずです。


武田康弘

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権力を批判しないことは非政治的―権力批判をすることは政治的!?

2013-01-21 | 社会批評

日本社会の底知れぬ後進性を現すのが、安倍政権後のマスコミの実態です。

民主制の原理に挑戦するかのような思想(「日本は天皇制の国であり、その歴史に殉じたのが特攻隊員である」)を自著で述べ、ブレーンに「人権思想」を否定する国家主義の学者(『反・人権宣言』の八木秀次氏)を置き、教育再生委員に抜擢する総理大臣を批判しないマスコミとは何なのでしょうか。

戦前からの国家権力者の系譜にある人物への批判はしない!?のであれば、民主的倫理を踏まえた民主主義の国とはいえないでしょう。

わたしは、ひとりの良心をもつ市民としてこのブログで安倍思想を批判していますが、その言辞行為を政治的!?とみなし、わたしの主宰する『白樺教育館』を「政治団体」!?(笑)だとする人まで現れると、呆れるを通り越して笑うしかありませんが、そもそも民主制(=人民主権)を骨抜きにしようとするのは古今東西の権力者の常であり、枢密顧問官のゲーテ(ベートーベンやヘーゲルと同時代のドイツの文学者)でさえ「権力を批判しない者は、悪魔に魂を売ったものだ」と、述べています。

自己保身を正当化する理窟を考え出し(自己武装=理論武装)、公共的意見(それは必ず広義の政治性をもつ)を述べない大人であっては、民主的な社会は築けません。これは原理ですが、実際には、そういう大人で溢れているのがわが日本の現実です。しかし、そうした生き方・考え方を変えない限り、人間味あふれる自由で豊かな〈のびのび社会〉は現実化しません。硬直した言語優先の遵法主義社会(形式と様式主義の国)を変えるには、誰よりも、わたしやあなた(一人ひとり)の古い常識を変えることが必要です。

非民主的な政治権力者の思想を批判するのは、自由のみならず、良心をもつ人間の責務ではないでしょうか。どのような職業についていようとも、誰でもが日本という国に住む一人の人間なのですから。

武田康弘

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信じ難い火遊びの日本国ー『4号プールの恐怖』ーオストラリアABCニュース

2013-01-19 | 社会批評

福島原発4号核燃料プールは、恐怖そのもの。「火遊び」をしているとしか言えない日本の現実について、豪ABCニュースが伝えています。

 

 

 

 

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『東京新聞』トップ記事ー尹東柱研究・楊原泰子さん(『白樺教育館』学芸員)の成果

2013-01-16 | 社会思想

以下は、白樺MLです。

みなさま

昨日今日と、詩と詩人についてやりとりしていたのとピッタリのタイミングで、
今日の『東京新聞』夕刊の一面は、治安維持法で逮捕されて獄死した(警察組織に殺された)韓国の詩人―尹東柱(ユン・ドンジュ)さんについての記事でしたが、
それは、わが白樺同人―『白樺教育館』学芸員の楊原さんの成果の紹介でした。

一面トップで詩人の話題とは、さすが『東京新聞』ですが、楊原さんの長年の地道な活動が実ったもので、すばらしい!!

いま、複写しましたので、添付します。

武田康弘

――――――――――――――――
武田様、古林様

ありがとうございます!

ヨンさま ならぬユンさまの追っかけおば(あ←トル)さん楊原です。

以前、我孫子の駅前で、取材を受けたことがある記者さんがあれ以来、毎年2月の立教での集いのお知らせを都内版に書いて下さり、当日のアンケートを見ると、多い時で40人が「東京新聞を見て参加」になっていました。

今年は下宿のことがあるので、大きな扱いになりびっくりしています。

尹東柱は朝鮮民族として暗黒の時代に、
名前を奪われ、
言葉を奪われても絶望せず、
変節も沈黙もせず、
自らが正しいと思う道を真っ直ぐに歩み、誇らしく民族の言葉で詩を書き続けました。

詩を書く営みの中で思考を重ね、普遍的な価値を問い続けていたのでしょう。

長い年月を経てもその詩の言葉は色褪せることがありません。

今、時代の記憶を運ぶ風となって私たちに大切なことを示してくれているような気がします。

少しずつでも、尹東柱の詩や生涯を通して、歴史の真実に真摯に向き合う人が静かに増えて行けば嬉しいです。

このような時代にはとても大切な存在だと思っています。

 

楊原

――――――――――――――――――――――――――

武田です。

彼は、日本の国家主義=帝国主義の犠牲者です。

彼と同様に、日本人にもアジア人にも、明治政府がつくった「近代天皇制」という思想の下で抑圧され殺された人々が大勢いました。

「ポツダム宣言」受諾による敗戦は、【人権と民主主義】という人類的な普遍的をもつ原理による【国家主義】からの個々人の解放をもたらしましたが、「自由と責任の意識を育てる教育&実践で自治政治を現実のものとする」という原則が貫かれなかった為の混乱を、戦後民主主義を否定することで乗り越えようと宣言する首相が誕生する事態にまで至っています。

いよいよ安倍首相のブレーン、「反・人権宣言」の著者で国家主義者の八木秀次氏が、官邸の教育再生委員となり、テレビ出演しました。

彼ら(安倍氏、橋下氏、八木氏ら)は、今回のイジメ自殺問題への批判でも「人権」という言葉は一度も使いません。「人権という思想」には依らないという確信犯です。
このイジメ自殺問題を利用して(厳しく対応することで)国民の支持を得、そのままナショナリズム教育(「人権思想」を否定し「日本国民の常識」につくべきだと明言)へと走ります。現『日本国憲法』の全面廃棄へと一歩一歩進みます。

このような状況の中で、いま、近代日本における【社会主義】の意味と意義を再考することは、重大な意味と価値をもちます。黒岩比佐子さんの絶筆『パンとペン』(堺利彦の「売文社」の闘い)は、目を開かせてくれます。社会主義とは、教条化した理論ではなく、国家主義(帝国主義)への対抗思想だったことを知れば、その価値は計り知れない大きさをもちます。

社会主義には、徳富蘆花の君主制社会主義、有島武郎の博愛主義社会主義、仏教社会主義、キリスト教社会主義、ロマン社会主義、唯物弁証法(マルクス主義)社会主義、民主社会主義(資本主義内社会主義)と、いろいろですが、いずれも個々人の対等と自由を主張し、博愛の精神を持ち、国家主義による画一的な統制(自国主義・愛国心の強制)を批判するものでした。「国家主義vs社会主義」と捉えると分かりよいと思います。その意味では、現在の中国の共産党一党政治は、社会主義とは呼べないはずです。また、北朝鮮の世襲による権力などは論外です(わが日本も実際上は世襲です)。

国家主義者の思想に合わせて彼らの都合のよいように教育と政治を行う「悪」と闘う人間性豊かな思想を社会主義と呼べば、なるほどなるほど、とその思想と行動の意味が分かります。それにしても、わが日本の近代天皇制下のおぞましい暴力(警察・憲兵隊・軍隊)には背筋が寒くなります。「国体思想」とは実に恐ろしきもの。

旧日本軍(皇軍)の体罰→学校教育・部活における体罰は、個人の尊厳を消し、「私」からの出発=人権を否定するもので、許し難いものですが、
安倍氏や橋下氏や八木氏らの体罰批判は、それが勝つために効果がない、という無用性からの批判であり、また、日本の評判を落とすという観点からの批判にすぎません。

 

 

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幸徳秋水著『帝国主義』ーー安倍首相が唱える「愛国心」の稚拙さと危険性を見事に暴く「美しい本」。

2013-01-04 | 書評

暫く前に、幸徳秋水の『帝国主義』を読みました。
岩波文庫で出ている原文ではなく、遠藤 利國 さんによる現代語訳です。

人間への深い愛と平和をつくるための条件。国家主義=帝国主義への強い憤り。
有機的な知による律動的な日本語。生きた思想と博識は、読む者に悦びと勇気を与えます。

いまに生きるわたしたちの必読文献だと感じ入りました。

人格高潔で博学博識、人間愛と強い使命感をもった幸徳秋水は、天皇主義を掲げる明治政府により殺害されましたが(無実の罪を着せられ、実質裁判なしで即刻死刑ー大逆事件)、いま、【愛国】を謳う政治家は、彼のような優れた日本人を殺害した明治政府とそれを支えた国体思想(近代天皇制)について、どう思い、どう考えているのでしょうか?

『帝国主義』は、冒頭から、いま主流の安倍首相が唱える【愛国心】がいかに稚拙で危険なものかを完膚なきまでに暴きます。見事な説得力でグイグイと引き込まれてしまいます。明治政府が幸徳秋水を殺さなければならなかった理由がわかります。

わたしは、彼のような日本人をこそ誇るべきだと思います。この書の英語訳とフランス語訳が進んでいるとのことですが、慶賀に堪えません。

(※なお、この本は、とても美しい装丁で、最高級の紙が使われ、亡き幸徳秋水へのオマージュのようです。出版社の良心=深い想いが感じられます。)


武田康弘

 

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『白樺教育館』ホームぺージが新しくなりました。「私」が輝くために!

2013-01-01 | 教育

わが『白樺教育館』のホームページ(制作・古林治)が、新しく、読みやすくなりました。

わたしたちは、個人が輝き、悦びが広がる「文化」を目がけています。

外的価値に呪縛されず、「私」の内から湧出する生を皆さまと共に歩みたいと思います。

2013年1月1日  武田康弘

 

 

 

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明けましておめでとうございます。

2013-01-01 | その他

年賀はがきの複写です。

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