安倍晋三という男のアナクロニズムの国家主義=国体思想については、わたしは、安倍政権が発足する直前から幾度も視点を変えて書いてきましたので、いまは繰り返しませんが、
ストレートな「官僚と国家主義の政治家による支配」のための国家秘密法=近代民主主義の根幹を破壊する法案を、たまたま手にした多数の議員の力で押し通そうというのは、許し難い根源悪です。
首相の座にある安倍晋三という男が行う悪行=暴挙を許せば、人民主権の民主主義は終焉を迎えます。そもそも民主主義とは、「人権思想と一体化した人民主権という原理」のことであり、役所に集まる情報を役人や政治家が秘匿にする自由は、認められていません。
民主政治とは、多数決では決められない根源ルール=「人権思想」の上に成立するもので、民主制社会における意志=「一般意志」は、政治に関する情報が等しく公開され、対等な資格で全成員が自由に議論することでつくられる主権者の意志のことを言いますので、「知る権利」は絶対条件なのです。
近代民主主義という思想は、独裁的思想(日本においては「国体思想」)を実行に移す自由を認めていません。そのような自由はないのです。「役所が隠匿できる行政情報をもつ自由」など、原理上、存在しません。
武田康弘(教育者・哲学者・元、参議院行政監視委員会調査室客員)