『アングロサクソン資本主義の正体』 東洋経済新報社・1680円
人間がよく生きるためにあるはずの経済行為が、なぜ、人間を苦しめ、不幸を生むのか?
その謎を明瞭に解き、自由経済を円滑に進めるための処方箋=根源ルールを提示するビル・トッテン氏。
「信用創造」という名の民間銀行によるマネー創造の秘密を歴史的かつ論理的に暴き、現代の「金融資本主義」とはカジノ経済に過ぎないことを示す。
一部の人間がマネーを独占し、大多数の人が貧しくなる現代のギャンブル経済の仕組みをどう改めたらよいのか?
確かな論拠、明晰で分明な主張は、深い納得を生み、胸がすく。
高校生以上のすべての人に必読の書。
経済学の本質を知るにも最も優れた本であり、従来の常識に囚われた大学の経済学部では学べない生きた経済学がここにある。「よい生とは何か」という追求=哲学と融合したほんとうの知は、学ぶ者によろこびをもたらす。
なお、極めて平易な、『年収6割でも週休4日という生き方』(小学館1260円)も併せて読まれることをお勧めします。
武田康弘