白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

白老で見られる白い花弁をもたないエンレイソウの仲間

2012-05-07 21:36:50 | 植物(草本)の観察

白老で見られる白い花のエンレイソウの仲間3種  ミヤマ オオバナ シラオイでも紹介したが、白い花弁をつけない8種のエンレイソウがあるという。

エンレイソウ (延齢草)ユリ科花パパと花ママの野の花・山の花 北海道

紫色の花に見えるのは「がく片」だという。開花時期:4下~5月 花  撮影 2006/05/05 萩の里自然公園

 

果実 撮影 2006/05/24 萩の里自然公園

 

   クロミノエンレイソウ(黒実の延齢草)エンレイソウの果実が紫色の変種(へんしゅ)だという。

開花時期:4下~5月   花 撮影 2006/05/05 萩の里自然公園

果実 撮影 2006/05/24 萩の里自然公園

 

萩の里自然公園では、エンレイソウの仲間では最も早く頭を地面から持ち上げるように地上に現れる。開花時期:4~5月

アイヌ民族の利用:根を回虫駆除のため、煎じて飲んだ。果実は甘くて熟してから生食した。

 これは、ヒダカエンレイソウではないかと思う。撮影 2008/05/18 残念ながらその後確認できていない。

ヒダカエンレイソウ(日高延齢草)は、エンレイソウとミヤマエンレイソウの雑種だという。 

北海道RDB 希少種 (R)

シロバナノエンレイソウとエンレイソウの混生する落葉樹林内などで希に見られる多年草で、群生はしない。

大きな葉を3枚広げ、4月下旬~5月上旬、その真ん中に暗紫色~赤緑色の花を一つ咲かせる。

花びらは数に変化が多く、多くても3枚、中には全くないものもある。

 追記

エゾシカはエンレイソウの仲間も食べるらしい。

エンレイソウ属を利用したエゾシカ採食圧の指標化(日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨) 

エゾシカに実を食べられたシラオイエンレイソウ 撮影  2008/06/30 萩の里自然公園 

 

シラオイエンレイソウは種子つくらず、子孫を残すことができないという。

種ができない事を確認すべく観察しようとピンクテープの目印を付けていいたら食べられてしまった。

彼らは非常に好奇心が旺盛なのではではないだろうか?

だから、次から次へと新たな食料を発見する」のではないだろうか? 

 

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白老で見られる白い花のエンレイソウの仲間 カワユ? チシマ? エゾミヤマ? 変わり者?

2012-05-07 17:32:12 | 植物(草本)の観察

ポロト自然休養林では、外観はシラオイエンレイソウに良く似ているがが紫色をしたカワユエンレイソウとも

チシマエンレイソウともエゾミヤマエンレイソウとも判断しかねる“エンレイソウを“2008年以降毎年観察している。

撮影 ポロト自然休養林 2008/05/13  

 

花弁はがく片よりはるかに長い。 2008/05/13

雄しべは雌しべより短く子房は全体紫だ。↓   2008/05/22 

葯は花糸の約3倍の長さのようだ。↓

総合すると、 「花弁はがく片よりはるかに長く雄しべは雌しべより短く葯は花糸の約3倍の長さで、子房は全体が紫となる。

チシマエンレイソウは、花弁はがく片よりはるかに長く、雄しべは雌しべよりも長く、葯は花糸の約3倍の長さ。子房は全体が濃い紫。

カワユエンレイソウは、花弁はがく片よりはるかに長く、雄しべは雌しべより短く、葯は花糸の約2倍で葯の長さが5~6㎜子房全体が紫ではない。

エゾミヤマエンレイソウは、花弁はがく片とほぼ同じ長さ で子房が暗い紫。

チシマエンレイソウにかなり似ているが、 結局どれにも該当しないように見えます。 

このエンレイソウの仲間は子孫を残すことができるのだろうか?

 

                  八重咲きのミヤマエンレイソウ

そして、萩の里自然公園で「八重咲きのミヤマエンレイソウ」一株が見られた。

発見者にちなんで、「ハレマキエンレイソウ」と勝手に呼んでいたが、数年で消えてしまった。

一代限りの変異なのか、一時的形態の変化なのか解からない。撮影 2007/05/21 萩の里自然公園

 

 

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白老で見られる白い花のエンレイソウの仲間3種  ミヤマ オオバナ シラオイ

2012-05-07 17:17:20 | 植物(草本)の観察

北海道には、白い花弁をつけるエンレイソウが7種、白い花弁をもたない8種のエンレイソウがあるという。 

白老でよく見かける“白い花弁をつけるエンレイソウ”は、ミヤマエンレイシウ(シロバナエンレイソウ)

・オオバナノエンレイソウ・シラオイエンレイソウだ。

それぞれの特徴を「二人の館」さんが「白い花をつけるエンレイソウの比較」として、

梅沢俊著 村野道子絵 「北海道 春の花 絵とき検索表Ⅱ」により、分かりやすく解説してくれています。 

             ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)別名シロバナエンレイソウ(白花延齢草)

・花弁はがく片とほぼ同じ長さでどちらも先端がとがる。 ・子房は通常クリーム色。紫の斑紋が入るものもある。

・花は横向きに咲く。などが特徴とされる。

萩の里自然公園の“白い花弁をつけるエンレイソウ”の中では、最も早く小型で恥ずかしそうに開花します。 

開花時期:5~6月上旬  撮影 2007/05/09 萩の里自然公園

撮影 2007/05/28 萩の里自然公園 

 

 オオバナノエンレイソウ(大花の延齢草)

・花弁はがく片よりはるかに長くどちらも先が鋭く尖らない。・子房は普通先端部が濃い紫色で、その下に斑点か筋がある。

・雄しべは雌しべより長く葯は花糸の約3倍の長さ。・花は上向きに咲く傾向が強い。などが特徴とされる。

ミヤマエンレイソウより遅れていつも上向き加減に咲き、スマートで優美な感じがします。

北海道大学の校章はオオバナノエンレイソウを図案化したものだそうです。

開花時期:5中~6月中旬  撮影 2011/05/20 萩の里自然公園

オオバナノエンレイソウには、二人の館さんが指摘されているように、やや花弁の形が異なるものが有るようにみえる。

撮影 2008/05/13 萩の里自然公園

撮影 2008/05/22 ポロト自然休養林 花弁が丸みを帯びている。

 

オオバナノエンレイソウ ~「植物の生き方」を知れば保全のしかたも見えてくる~

   (コラム生きものがたり(北海道大学理学部生物科学科(生物学) 大原雅 教授)

              シラオイエンレイソウ(白老延齢草)

・花弁はがく片よりはるかに長く ・子房は普通先端部が濃い紫色で、その下に斑点か筋がある。

・しべは雌しべよりも短い。(雌しべが雄しべより大きく突出す)。・葯は長さが8~13㎜で花糸の約2倍の長さ。葯と花糸解説

・全体が大型で、株立ちになる傾向がある。・花弁と葉の縁が波状になる傾向がある。などが特徴とされる。

ミヤマエンレイソウとオオバナノエンレイソウの交雑種であるという。

エンレイソウの歴史を解明した「ハガジー」(芳賀爺)によると、

九州大学の芳賀教授(北大出身)が白老の原生林に自生しているのを見つけた事から「シラオイエンレイソウ」と名付けられたという。

開花時期:5中~6月中旬  撮影 2004/05/23 萩の里自然公園

撮影 2007/05/12 萩の里自然公園

大きく全体に力強く逞しい感じがします。 

オオバナノエンレイソウと比べて見てください。オオバナノエンレイソウ(左)シラオイエンレイソウ(右) 撮影 2004/05/24 萩の里自然公園

 「シラオイエンレイソウがお父さん、オオバナノエンレイソウがお母さん、ミヤマエンレイソウが子供」という感じです。

萩の里自然公園では、ミヤマ、シラオイ、オオバナの順で開花するようだ。子供一番早起きで、お母さんが寝坊という事になる。

 

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