北海道には、白い花弁をつけるエンレイソウが7種、白い花弁をもたない8種のエンレイソウがあるという。
白老でよく見かける“白い花弁をつけるエンレイソウ”は、ミヤマエンレイシウ(シロバナエンレイソウ)
・オオバナノエンレイソウ・シラオイエンレイソウだ。
それぞれの特徴を「二人の館」さんが「白い花をつけるエンレイソウの比較」として、
梅沢俊著 村野道子絵 「北海道 春の花 絵とき検索表Ⅱ」により、分かりやすく解説してくれています。
ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)別名シロバナエンレイソウ(白花延齢草)
・花弁はがく片とほぼ同じ長さでどちらも先端がとがる。 ・子房は通常クリーム色。紫の斑紋が入るものもある。
・花は横向きに咲く。などが特徴とされる。
萩の里自然公園の“白い花弁をつけるエンレイソウ”の中では、最も早く小型で恥ずかしそうに開花します。
開花時期:5~6月上旬 撮影 2007/05/09 萩の里自然公園
撮影 2007/05/28 萩の里自然公園
オオバナノエンレイソウ(大花の延齢草)
・花弁はがく片よりはるかに長くどちらも先が鋭く尖らない。・子房は普通先端部が濃い紫色で、その下に斑点か筋がある。
・雄しべは雌しべより長く葯は花糸の約3倍の長さ。・花は上向きに咲く傾向が強い。などが特徴とされる。
ミヤマエンレイソウより遅れていつも上向き加減に咲き、スマートで優美な感じがします。
北海道大学の校章はオオバナノエンレイソウを図案化したものだそうです。
開花時期:5中~6月中旬 撮影 2011/05/20 萩の里自然公園
オオバナノエンレイソウには、二人の館さんが指摘されているように、やや花弁の形が異なるものが有るようにみえる。
撮影 2008/05/13 萩の里自然公園
撮影 2008/05/22 ポロト自然休養林 花弁が丸みを帯びている。
オオバナノエンレイソウ ~「植物の生き方」を知れば保全のしかたも見えてくる~
(コラム生きものがたり(北海道大学理学部生物科学科(生物学) 大原雅 教授)
シラオイエンレイソウ(白老延齢草)
・花弁はがく片よりはるかに長く ・子房は普通先端部が濃い紫色で、その下に斑点か筋がある。
・しべは雌しべよりも短い。(雌しべが雄しべより大きく突出す)。・葯は長さが8~13㎜で花糸の約2倍の長さ。葯と花糸解説
・全体が大型で、株立ちになる傾向がある。・花弁と葉の縁が波状になる傾向がある。などが特徴とされる。
ミヤマエンレイソウとオオバナノエンレイソウの交雑種であるという。
エンレイソウの歴史を解明した「ハガジー」(芳賀爺)によると、
九州大学の芳賀教授(北大出身)が白老の原生林に自生しているのを見つけた事から「シラオイエンレイソウ」と名付けられたという。
開花時期:5中~6月中旬 撮影 2004/05/23 萩の里自然公園
撮影 2007/05/12 萩の里自然公園
大きく全体に力強く逞しい感じがします。
オオバナノエンレイソウと比べて見てください。オオバナノエンレイソウ(左)シラオイエンレイソウ(右) 撮影 2004/05/24 萩の里自然公園
「シラオイエンレイソウがお父さん、オオバナノエンレイソウがお母さん、ミヤマエンレイソウが子供」という感じです。
萩の里自然公園では、ミヤマ、シラオイ、オオバナの順で開花するようだ。子供一番早起きで、お母さんが寝坊という事になる。