

Extremely Loud & Incredibly Close とは、主人公の(おそらくアスペルガーの)少年の世界の見え方なのであろうが、それが9・11による心の喪失状態と関係づけられている、興味深いつくりの作品である。どうも私はまだ得心がゆかないが、――確かに、トラウマというのは、世界との時間的空間的距離の関係の狂いを生じさせるという意味で、9・11の被害の本質を考えた作品なのかも知れない。「病」とは何か?と我々を考えさせる映画である。
ただ、この作品で号泣したりするような人たちのことを私が理解できないのは事実である。
そういえば、オリンピックの番組で、視聴者からのツイッター発言だかをいちいち紹介する番組は多いが、「勇気をもらいました」どころではなく、「号泣させてください」とかいう発言がちらほらとあった。よほど普段苦しい思いを抱えているのか、よくわからんが、申し訳ないが「病気」としか思えない。国威発揚とか、そういう類の意識は、近代社会の何かではなく、「病気」だと思う。

というわけで、わたくしは、オリンピックは女子体操と男子砲丸投げだけがあれば十分であると思っている。
というわけで、東京の宿のテレビでたまたま観た、ライアン・クラウザー(米)のオリンピック新記録はすごかった。あの鉄球を22メートルも投げるのはほとんどホラー映画である。
というわけで、女子体操である。ビクトリア・コモワが当然金メダルと思っていたのだが、もうすでに引退していた……出てない……。
というわけで、スポーツ選手は小さい頃からの練習が大変そうだし、親やコーチとの関係も大変そうだし、はやく引退できるようにまわりがサポートすべきかもしれない。