最近は、シュレーカーの室内交響曲を聴きながら読書をしているわたくしですが、皆さんいかがお過ごしですか。
ついコンビニでこんなものを買ってしまったわたくしですが、それにしても買っておいてなんですが、「全語録」といいながら、全語録ではないし、監修者が取材したわけでもないこういう本に何か意味があるのか不明です。たぶん、わたくしみたくつい買ってしまう奴がいること自体に意味があるのでしょう。シャクなので、読んでみました。印象に残った言葉にさっそくコメントしてみたいと思います。
・「この世に信じていい者など存在しないと心得よ!この私でさえ決して信じてはいけない。」→その通りですね。そうします。
・「私は自分の金で選挙をやっている。誰からも指示は受けない。」→いいとこついてるね。でも、政治も自分の金ですべてやってくださいね。
・「私がメディアに憎まれるのは、私が彼らを必要としていなからだ。」→いいとこついてるね。でもあなたの好きなツイッターもメディアなんですが……
・「無駄な時間を省くには、可能な限り最高の人材をそろえることだ。」→いいとこついてるね。文科省の小役人にポストを用意している日本の大学に言ってやってください。
・「私は勝つ、勝つ、つねに勝つ」→日本のドラマに「トリック」というのがございまして、そこで上田次郎という狂言回しがそういうこと言ってましたね。つねに負けてましたが。
・「そのうち飽きてしまうぐらい、我々は勝ち続ける」→はやく飽きろや
まあ、あれです。オバマもトランプもガンジーに比べれば似たり寄ったりです。なわけはないが、オバマの時のアメリカも十分恐ろしい国であったことは明らかである。
連合赤軍の勉強をしていて、ずっと気になっていたのが、ドイツ赤軍との関係である。今回やっと「ザ・バーダー・マインホフ・コンプレックス」を観ることが出来た。これは面白かった。日本の連合赤軍をえがく映画が、内輪もめ、話し合い、を主とするのに対し、こちらは、話し合いはすっ飛ばして、とにかく敵を撃ちまくる。特に、裁判官や検察官への襲撃がすごい。わたくしは、イエスのファリサイたちへの攻撃を想起したが、やはり原作者(この人のインタビューは、日本の感傷的な根性主義的な運動の回想よりよほど優れていて、わたくしはショックだった)もドイツ赤軍を宗教的殉教運動とみているようだ。これに比べればトランプの「勝つまでごねる」的発言の方が、したたかな生きる計算が感じられる。トランプはおそらく、自分の正しさをそれほど確信してはいない。勝てばいいと思っている、まさに言葉通りの「ヤンキー」なのである
いずれにせよ、現実を舐めてはいかんという感じを、トランプからもマインホフからも受けた。