★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

夫婦が独身者に負ける映画

2015-02-28 18:48:52 | 映画


昨年のゴジラをやっと観た。ハリウッドは核を舐めてるのか、とついみんな思ってしまうのは、「ダークナイト何とか」でもそうだったが、アメリカにとっての海外で爆発させりゃそれでいいのかよ、という結末ばかりだからである。

おもしろいのは、今回は、そこに仲良し夫婦怪獣に独身者ゴジラが立ち向かうという、なにか怨念を感じる設定が絡んでいることである。

最後、主人公の兵士は核を食べてくれる?怪獣の卵を吹っ飛ばした後、なんだかお疲れのようであり、怪獣をやっつけたゴジラと一緒でおねむのご様子。で、核爆弾の爆発解除という本来の任務を忘れ、むにゃむにゃとやっているうちに、沖で爆発した核の閃光でお目覚め。ついご飯ですよという奥さんの声が聞こえてきそうなのどかさにびっくり。ゴジラも一晩寝たら疲れもとれたらしく、海に帰る。

原発事故があっても街が廃墟になるだけだと思っている。核を処理するより、電気と通信がなくなることの方を恐れる。という欺瞞が感じられるのはもちろんのこと、その他にもなにやら、夫婦愛でいっぱい子ども作る人たちより、ゴジラみたいなお腹ぽっこり独身者が世界を救うと言いたげなのだ。やや譲って、世界を救うには妻がいない状況が必要だ――といった男の怨念が感じられるのである。というのは、……主人公の兵士は、日本の原発事故で妻を亡くした父親を持っていて、その父親が怪獣さわぎに巻き込まれて死んだので、その父親の無念を晴らす為になかなか妻のいるところに帰ろうとしないで勝手に軍隊に帯同するのである。途中で東洋系の子どもを助けたりするが、男の子。最後に、生きていた母親に駆け寄る息子を見つめる主人公。彼は昨日、母親怪獣がおなかを痛めて産み落とした卵を吹き飛ばした男。――明らかに、女性嫌悪かなにかが感じられる映画である。渡辺謙がやってる芹沢博士といういてもいなくてもかまわない男も、ちょっと横にいる女性科学者にまったく興味ないようで、どちらかというとゴジラが好きらしい……ゴジラが最後に首をもいで殺すのは、雌の方。雄に対してより酷い殺し方であった。……

「チャイナ・シンドローム」と昭和29年「ゴジラ」を合体させたような傑作を期待していたわたくしを、見事に失望させた今回のゴジラであった。

が、原発事故・津波・核・男女の問題などの問題を使いながら、見事にそれを隠蔽するそぶりの映画を大量に送り出すハリウッドは、そうやって隠蔽と問題の深刻さを逆に浮かび上がらせようとがんばっているのではあるまいか。確かに「ショアー」では商売にならんから、問題はそれでは本当に闇に葬られてしまう。それよりは、……。何もせず、過去のゼロ戦でうろうろしている日本は、それ以下であり、まだ第二次大戦が終わっていないのであった。何が戦後70年の歩みだよ……

ジュリエット・ピノシュに似たおばさんが出てたと思ったら、本人だった……

2015-02-27 12:33:31 | 大学


に自撮り(←この言葉は虫ずが走る)をさせようとするアプリ(←この言葉は虫ずが走る)があるらしく、朝のニュースでやってた。画面にネズミみたいな画像を動かしてそこにタッチさせるのである。わたくしも、書類とかに印刷されている虫ずが走る言葉にいちいちキレていると猫化するかも知れない。

ぴんぽん

2015-02-26 15:59:27 | 文学
https://twitter.com/HidekoTakamine/status/570825848430858240


「本を読まなければいけない、と思う。ちゃんとした本を読まないから、頭の中身が薄いのだ、とわかっているから、本を読みたいな、とつくづく思う。それでも読まないのはナゼか?「忙しいから」というのは言いわけで、じつは「しんどい」から読まないだけ、つまり自業自得である。」

組とビジョン

2015-02-26 04:09:30 | 思想
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015022202000139.html


背広組とか制服征服組とかどこのヤクザの抗争やねん……

http://jp.wsj.com/articles/JJ10740463522164863937216823623911298142568

「20世紀の教訓を踏まえ、21世紀のアジアと世界のビジョンをどう描くか」など五つの論点を提示し……」

……だから、首相はそんな大げさなことがんばらなくてもいいですから……かわりにわたくしが考えて差し上げる。

(1)20世紀の経験からくむべき教訓……ルサンチマンを持った馬鹿の暴走は想定外の被害をもたらす。馬鹿に兵器と小役人を与えてはならない。

(2)戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献の評価……①平和主義……フジヤマゲイシャヘンタイアニメイチローゴジラタカスクリニック ②経済発展……エコノミックアニマル ③国際貢献……エコノミックアニマル

(3)米中韓などとの間で歩んだ和解の道……はい?

(4)21世紀のビジョン……『VISION』(ヴィジョン)は日本のガールズバンド・ねごとの3枚目のフルアルバム。2015年3月4日にKi/oon Musicより発売予定。

(5)戦後70年に当たって取るべき具体的施策……①弱い者いじめをなくしましょう ②権力者を改心させましょう ③法令遵守の前に脅迫者を何とかしましょう ④国家は文化と教育に手を出すべからず、大変迷惑でございます ⑤戦後70年だから何?

……21世紀(笑)は、喧嘩と和解でなく、説得とまったりティータイムの世紀にしたいです。

あなた女なら誰でもよかったんでし(後略)

2015-02-21 19:12:14 | 思想
http://www.asahi.com/articles/ASH2N5H8GH2NTLLS00B.html?iref=comtop_fbox_u09


「カメ、カエルに道ならぬ恋 強引に迫り、平手打ちされる」

亀にもプラトニックラヴの権利はあると思う。相手が女であると分かっていたかどうか知らないが、まあ男でもいいだろう。よけいプラトニック度は高まるというものだ。思い切って「婚姻は同性の合意のみに基づいて成立する」と改憲してもいいと思う。

das Erhabene

2015-02-17 23:14:40 | 文学


この前、NHKでアルプスのアイガー周辺の風景を流していたんだが、ふと小林秀雄の「故郷を失った文学」の一節を思いだし、いろいろ誤読していたことに気付いたので、カントの「崇高論」を読み直してみた。アルプスが造形美術になりえないとか確かジンメルが言っていたと思うが、考えてみりゃ、富士山の絵が沢山ある我が国はなかなか面白い国である。たぶん原因は同じところにあるとおもうけれども、各地に富士があるというのも……