1、郡司ペギオ幸夫『やってくる』……わたしにはいろいろとやってこない
2、斎藤幸平『人新世の「資本論」』……進撃ラッパ再びというかんじである。マルクスは歴史のように反復する。
3、和辻哲郎『風土』……再読
4、東浩紀『ゲンロン戦記』……注意:ゲド戦記ではない
5、諫山創『進撃の巨人』……完結してくれてありがとう。
6、横道誠『みんな水の中』……アスペルガー症候群やカサンドラ症候群に関する本をことしは沢山読んだが、そのきっかけになった。とにかく、同業者が真剣に自分を語らないと反応しないのが我々である。若者達はしかし、自分よりも他人を真剣に語る方が難しい場合が多いことを自覚したほうがよい。それはこれからの話だが、、、、
7、宮台真司『崩壊を加速させよ』……加速しているのかも知れないが、あまりに加速していると新幹線からみえる風景のようになんだか世界が美しくなってくるので、わたくしはやはり「生きよ墜ちよ」のほうがよいような気がするのだ。
8、柳田国男『先祖の話』……ゼミ生と一緒に読んだ。柳田の文章というのは、いままで読んできた批評家よりも忖度に近い読解が必要なようだ。彼が官僚だったせいであろうか。
9、トリスタン・ガルシア『激しい生』……今日ものんびり生きてゆこう
10、小林秀雄『無常といふ事』……小林が扱った古典作品を読んだという方が正しい。清水高志氏や奥野克己氏のいうアニミズムを視野に入れながら似たような作品がこれからでてくるような気がする。
……今年はどちらかというと、読んだ年であって他にもいろいろおもしろかったが、いろいろ考えなければならない年でもあった。貧すれば鈍すというが、一言で「鈍す」といって片付けるのは簡単だが、実際はそのほころびは細部にわたりその都度修正が必要なのが世の中だ。双方向性やらコミュニケーションやらと適当なことを言っているから一人一人への教育がまったくできなくなってしまっている。