花梨の花がポッと咲いた。
まさしく、ポッという感じ。
(花梨の花)
鉢に植えているが、今から15年くらい前に1本だけ庭に地植えしたことがある。
花も咲かず、幹だけがどんどん伸びてやがて虫にやられて枯れてしまった。
この鉢植えの花梨は、鉢の中という束縛された状態の中で、実はならないものの毎年花を咲かせている。
そして、その花の開き方がいかにも、何かに驚いたかのようにポッと咲く。
「春雷の音に花梨はポッと咲く」・・・・しろ猫
この句は何処かに投句して、没になった句だが花梨が咲く度思い出す。
(水菜の花)
この花は実に長い期間にわたって、綺麗に咲き続ける。
水菜は食べながら、幹は残して置いて最後は花を咲かせるに限る。
普通の菜の花よりずっといい。
(水菜や葉牡丹)
水菜も種類があるようで、こちらの1株はやっと花芽が出たところ。
どういう花になるかが、ちょっと楽しみ。
葉牡丹は小さなものだったが、放置していたら先端の花芽が伸びてきた。
こうなったら、花を咲かせてみることにしよう。
(つばき)
裏庭のブロック塀の横に並んでいる椿の鉢で、また一輪咲いているのを発見。
鉢植えの小さな幹で、しかも葉っぱの裏に潜り込んで咲いている。
ここまで徹底して、顔を見せない花も珍しい。
鉢は、半分庭の地面に埋めた状態で保持しているので、咲いたからといって表に出すわけにもいかない。
どこで、どんな花が咲いているのか判らないので庭をウロウロしていたら、妙なものを見つけた。
(百舌の贄)
小さなモミジの小枝に、トカゲがぶら下げられていた。
百舌(もず)が冬場の保存食として虫やカエルなどを、木の小枝などに突き刺しておくらしい。
我が家の庭にも、小さなトカゲが毎年生まれていて、ちゃんと自分の縄張りの中で生活している。
たまたまその1匹が犠牲になったのだろう。
辞典などで調べると、「モズの速贄(ハヤニエ)」という表現がなされていた。
モズが自分の縄張り内の木々の枝先に虫などを突き刺して「はやにえ」を作るとある。
冬の保存食という説があるが、春先まで残る疑問から、「はやにえ」の生産時期と消費時期を調査・実験の結果別の目的が判明したとある。
ほとんどが、3月初め頃の繁殖期までに食べ尽くされ、雄の繁殖行動時の鳴き声と大きく関係しているらしい。
ハヤニエを与えた百舌と、与えなかった百舌では鳴き声が異なり、繁殖の成功率もちがったという話である。
ハヤニエを食べた百舌は、高くテンポの早い鳴き声で直ぐカップリングに成功し繁殖も早かったそうである。
ハヤニエには「保存食」と「繁殖行動」という両方の意味があったとある。
と言うことは、もう3月の初旬は終わろうとしているのに、我が家の庭の「ハヤニエ」は刺さったまま。
百舌が忘れたか、不測の事態が発生したか、遅ればせながらやってくるのか、のいずれかであろう。
暫く様子を見ていよう。
「春うらら忘れ去られた百舌の贄」・・・・しろ猫