人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

謝りたい人

2017-11-17 18:36:17 | 回想
私の人生で小学二年生の頃、人生で重要なことに相次いで巡りあっており、忘れられない想い出が一杯なのです。
初めて感動した映画、音楽、漫画、東京オリンピック...そして、初恋?
Sちゃんという女の子がクラスに居たのです。
彼女がいつ頃来たか覚えていないのですが、転校生でした。
初めて見て、他の女子と比べて何かすごーくアカ抜けしてるように見えました。
ヘアスタイルからして違う...あまり見かけたことの無いサラサラとしたロングでした。
確かその件でクラスの担任の先生から"その髪、なんとかならないの!"と注意され、 "ヤですi"と猛烈に先生とやりあっていたのを記憶しています。
転校生ということもありましたが、私は否応なしにSちゃんに興味を持ちました。
"カワイイ?...ウン、確かに(昔から面クイ)...しっかし、気が強そう...生意気そう..."
その後の異性と接し方の不器用さがウソのように、私たちはすぐ親しくなりました。
何しろ"Sちゃん、遊ぼうi" "ウンi"で決まってしまうのですから...
二人きりで遊んだ記憶しか無いのですが、イロイロなことをしました。お医者さんゴッコとかi(深い意味は無いです)
我が家で、そういう遊びをしていた時など、オフクロが先方の親が心配するからと、帰宅を促していたにも関わらず、夜の8時過ぎても帰ろうとしません(金曜のプロレス中継をやっていた)。何だか家に帰りたくない様子でした。
彼女は私と同じく体が弱いのか、いつも学校を休みがちだったのですが、ある日私も学校を休んだ日、近くの公園で遊んでいる彼女を見つけました。"Sちゃん、ズル休みだあ、言いつけちゃおi" "あなたもねi"とお互いバツが悪そうに密会?したこともあります。
このように私はSちゃんに親しみを感じていたのですが、前記したようなことも脳裏にあり、実は大キライな宿敵でもあったのです。
"勉強も運動も私より、ウンと出来る"ならいいです。しかし、彼女ときたらチョイと出来る...常に私の前に、上に出ようとするのです。...あなたより私の方がチョイと出来るんだから"といいたげに...
"ムムムッ..." 私をヘンにムキにさせずにおれません。
特に私が大の苦手の算数が出来るってーのが、許せないのです。..."絶対、あれはアンチョコを見ているに違いないi"
どうしてこういう相反する感情が同居してしまうのかが分かりませんが、多くの人間関係がそうであるように、彼女も私に対してそういう感情を抱いていたようなのです。
要するにケンカ、イジメのし合いもしょっちゅうだったということです。
こうした微妙な空気を孕んだ私たちの関係も、再び彼女の他校への転校で途絶えてしまいました。
彼女は複雑な家庭環境にあったのです。長期間欠席して出てきた時には、苗字が変わっていました。
そんな時分、彼女の方から"遊ぼうi"と誘ってきたことがありましたが、私はつれなく"用事があるから..."と断ってしまいました。
どこか寂しそうな表情のSちゃん...そしてあまりにも急な転校の知らせ...
それから、小学三年になり、又Sちゃんはクラスに戻ってきたことがありました。何故か杖をついていました。
"ずっとズル休みだと思っていたけど、ホントに体が弱かったのか?"
この時、私はこともあろうに、クラスの悪ガキとトンでもない、心ない言葉を彼女に浴びせてしまったのです。
"ヤーイ、ビッコ、ビッコ"i"と...
当然のように、深く傷ついたか、泣きじゃくってるSちゃん...久しぶりに宿敵をやっつけてやったと思ったものの、何とも後味の悪い気持ちが残りました。
そして、すぐ又見なくなってしまいました。
これはいつまでもずっと自責の念として残っていることです。
それから又、小学6年くらいだったでしたか、何かの準備活動の時、一学年か二学年下のクラスと一緒になって、その中で回りの生徒より一際背の高い女の子から突然、「お久しぶりね...」と声を掛けられました。"Sちゃん..."
彼女は屈託なく笑っていました...。(欠席が多かったのでしょう、留年していたのです)
思えば罪なことをしてしまったものです。私と似た境遇に居て、ホントは理解しあえたかもしれないし、淡い恋心も抱いていたかもしれないのに...私は本当に幼かった...
人生では知らずにやっていたことが、知らずにわだかまりになることもある...
Sちゃんは人生で一番謝りたい人です。




コメント
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